京都ツウのススメ

第十五回 京野菜

[先祖の精霊を迎える六道まいり]8月に入ると、京都市東山区の六道皇寺では精霊を迎える六道まいりが行われます。精霊送りとともに、大切に受け継がれてきた「迎え」の行事を、らくたびの若村亮さんがご紹介。

京野菜の基礎知識

其の一、
海から遠く離れた盆地の京都では、新鮮な魚が手に入りにくいため、野菜中心の食文化が育まれました
其の二、
地方から野菜の種が都へ献上され、京都の風土に適応して独自の野菜へと成長しました
其の三、
栽培された地名が野菜の名前に付けられています

都の食材は野菜が中心

794(延暦13)年の平安京遷都以来、都の人口増加は著しく、多くの食材が必要でした。しかし、海から遠い盆地の京都では、新鮮な海産物が手に入りにくいため、菜食中心の食生活が発達しました。都の周辺地域(現在の京都市左京区・東山区・伏見区・山科区・南区など)で野菜が生産されるようになり、今日の京野菜の伝統を培う豊かな土壌が育まれました。

ココがツウ京都の料理が薄味なのは、野菜本来のおいしさを生かすため

京都独自の野菜へ成長

昼・夜の温度差が大きい気候、良質で豊富な地下水、生育に適した肥沃な土に加え、朝廷や社寺への献上品として全国各地から優れた野菜の種や栽培技術が集積。また、宮廷料理や精進料理の発達により、品種改良が促され、個性豊かな京野菜が誕生しました。その独特の味や形は現在でも京料理に欠かせない存在であり、生産農家の創意工夫のもと、良質な野菜作りが受け継がれています。

鐘の音に先祖を迎える気持ちを込めて・・・ 六道まいり 古くから冥土の入り口とされた「六道の辻」。その傍らにある六道珍皇寺などで行われるお盆行事。参詣者は参道で高野槇(こうやまき)を買い求め、先祖の戒名(かいみょう)を書いてもらった水塔婆(みずとうば)を水回向(みずえこう)にて供養し、迎え鐘をついてお精霊さんをお迎えします。

賀茂なす

鹿ヶ谷かぼちゃ

聖護院だいこん

聖護院かぶ

京山科なす

九条ねぎ

伏見とうがらし

聖護院

錦市場・老舗の八百屋さん。全国各地の野菜が並び、京野菜も豊富に扱っています。2階の食事処では、新鮮な京野菜を使った繊細な味わいの料理が楽しめます。

  • かね松老舗:10時~18時
    やお屋の二かい:11時~売り切れ次第終了(要予約)
    不定休
  • 075-221-0088(かね松老舗)
    075-221-0089(やお屋の二かい予約専用)
  • 祇園四条駅下車 北西へ徒歩約10分
制作:2009年6月
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第十回 枯山水庭園の眺め方
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第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方