京都ツウのススメ

第七回 特別拝観の楽しみ方

秋の特別拝観に出かけよう。この季節、通常見ることのできない仏像や絵画などが公開される「京都非公開文化財特別拝観」。貴重な機会を満喫するポイントを、らくたびの山村純也さんが紹介します。

本記事は2008年秋の「京都非公開文化財特別拝観」開催時にK PRESSで紹介したものです

特別拝観の基礎知識

其の一、
貴重な文化財と出会えるチャンスです
其の二、
短期間に見どころが凝縮しています
其の三、
その年ごとに、“旬のスポット”が変わります

【まずは知っておきたい】京都非公開文化財特別拝観って何でしょう? 文化財×わたし

京都非公開文化財特別拝観

2008年で44年目を迎える『京都非公開文化財特別拝観』。京都古文化保存協会が春と秋の年2回開催しています。「貴重な文化財は実際に拝観してこそ、その愛護の精神が生まれる」と、毎回公開場所・内容を変えて実施。今年は神護寺大師堂・金戒光明寺で両本尊が本邦初公開されるのをはじめ、京都市内19の社寺・施設で、建築・絵画・彫刻・庭園など約50の指定文化財が公開されます。普段目にできない「京都の宝」が間近で鑑賞できる上、各所で作品背景など詳しい解説が聞けます。先人の知恵や思いを肌で知れば驚きや感動はひときわ。ぜひ出かけて“文化財”と“わたし”のつながりを持ってみましょう。

ボランティアガイド

ボランティアガイドが案内役に

  • 10/31(金)~11/9(日)9時~16時 
    ※一部公開場所により異なります
  • 1カ所 大人800円・中高生400円 
    ※一部公開場所により異なります
  • 075-561-1795(京都古文化保存協会)
  • www.kobunka.com
下線

静謐なお寺を訪れるチャンス「ココがツウ」

京都には観光スポットになっている寺院がたくさんありますが、通常非公開のお寺・お堂も数え切れないほどあります。だからこそ、特別拝観はとても貴重な機会。静かな時間が過ごせるお寺で、ゆっくりと寺宝を眺めるのがオススメです。

南禅院
法然寺

法然寺では年に数日のみ本堂の内部を公開。本堂には四季を通じて季節の花が供えられます

(文化財×煌き)(文化財×四季)

亀山法皇ゆかりの寺、南禅院。きらびやかな瑠璃燈(るりとう)や優しい趣の法皇坐像に鎌倉期当時のきらめきが感じられます

法然院

神宮丸太町駅から市バス 93・204系統 錦林車庫前下車
北東へ徒歩約10分
出町柳駅から市バス 17・203系統 浄土寺下車
南東へ徒歩約10分
地下鉄蹴上駅下車 北東へ徒歩約10分

南禅院

地下鉄蹴上駅下車 北東へ徒歩約10分

今、旬のスポットへ!「ココがツウ」

今年見るからこそ感動も倍増、という“旬のもの”はぜひ押さえておきましょう。『源氏物語』千年紀の今年は、各所でゆかりの寺宝などが公開されます。盧山寺では住吉廣尚筆「若柴」を見ることができます。

盧山寺

紫式部の邸宅があったとされる地に立つ盧山寺で、平安の都に思いをはせてみては

(文化財×ものがたり)

盧山寺

出町柳駅下車 南西へ、
神宮丸太町駅下車 北西へ徒歩約15分

初公開の文化財をチェック!「ココがツウ」

今年の見どころは金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)。初公開となる本尊の阿弥陀如来像は恵心僧都(えしんそうず)の最後の作といわれ、胎内には最後に使ったノミが納められています。また、白沙村荘(はくさそんそう)でも、橋本香雪の珠玉の作品の中から襖絵などが初めて公開されます。

阿弥陀如来像

京都が一望できる高台に位置する金戒光明寺。阿弥陀如来像は「ノミのおさめ如来」と称されています

白沙村荘

近代日本画壇の巨匠・橋本関雪の邸宅だった白沙村荘。襖絵の筆致から関雪の美意識がより一層感じられるはず

金戒光明寺

神宮丸太町駅から市バス 93・204系統
岡崎道下車北へ徒歩約5分

白沙村荘

出町柳駅から市バス 51・55系統
市バス17・102・203系統 銀閣寺道下車
東へすぐ

制作:2008年10月
バックナンバー
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第百九十五回 京都の巨木
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第百九十三回 秋の京菓子
第百九十二回 京都の植物
第百九十一回 京都の風習
第百九十回 幻の巨椋池(おぐらいけ)
第百八十九回 京都と魚
第百八十八回 京都とお花見
第百八十七回 京の歌枕(うたまくら)の地
第百八十六回 京都の地ソース
第百八十五回 『源氏物語』ゆかりの地
第百八十四回 京の煤払(すすはら)い
第百八十三回 京都の坪庭(つぼにわ)
第百八十二回 どこまで分かる?京ことば
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第百八十回 琵琶湖疏水と京都
第百七十九回 厄除けの祭礼とお菓子
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第百七十七回 京の有職文様(ゆうそくもんよう)
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第百七十二回 京の冬至(とうじ)と柚子(ゆず)
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第百六十七回 京の城下町 伏見
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第百六十五回 子供の行事・儀式
第百六十四回 文豪と京の味
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第百五十三回 京都の南蛮菓子
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第百四十九回 京の牛肉文化
第百四十八回 京の雲龍図(うんりゅうず)
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第百四十二回 京の社寺と動物
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第百四十回 冬の食べ物
第百三十九回 能・狂言と京都
第百三十八回 京都と様々な物の供養
第百三十六回 京都とビール
第百三十五回 京都と鬼門(きもん)
第百三十四回 精進料理
第百三十三回 明治時代の京の町
第百三十二回 皇室ゆかりの建物
第百三十一回 京の調味料
第百三十回 高瀬川
第百二十九回 蹴鞠
第百二十八回 歌舞伎
第百二十七回 京都に残るお屋敷
第百二十六回 京の仏像 [スペシャル版]
第百二十五回 京の学校
第百二十四回 京の六地蔵めぐり
第百二十三回 京の七不思議<通り編>
第百二十二回 京都とフランス
第百二十一回 京の石仏
第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
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第百十八回 京都の路面電車
第百十七回 神様への願いを込めて奉納
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第百十五回 曲水の宴
第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
第百十三回 パンと京都
第百十二回 京に伝わる恋物語
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第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
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第百二回 文学に描かれた京都
第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
第九十八回 京の鍾馗さん
第九十七回 言いまわし・ことわざ
第九十六回 京の仏師
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第九十三回 ご朱印
第九十二回 京の冬の食習慣
第九十一回 京の庭園
第九十回 琳派(りんぱ)
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第八十七回 夏の京菓子
第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
第八十五回 新選組
第八十四回 京のお弁当
第八十三回 京都の湯
第八十二回 京の禅寺
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第七十八回 京の漫画
第七十七回 京の井戸
第七十六回 京のお地蔵さん
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第七十三回 糺(ただす)の森
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第七十一回 香道
第七十回 天神さん
第六十九回 平安京
第六十八回 冬の京野菜
第六十七回 茶の湯(茶道)
第六十六回 京の女流文学
第六十五回 京の銭湯
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第六十一回 京の伝説
第六十回 京狩野派
第五十九回 京寿司
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第五十七回 百人一首
第五十六回 京の年末
第五十五回 いけばな
第五十四回 京の城
第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
第四十九回 大原女
第四十八回 京友禅
第四十七回 京のひな祭り
第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
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第二十一回 京の幕末
第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
第十七回 京の近代建築
第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
第十四回 京都の路地
第十三回 宇治茶
第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方