京都ツウのススメ

第六回 京都の着物

[着物の町、京都の魅力]着物が息づく町・京都。長い歴史と高い技術を誇る文化を、らくたびの鈴木玲奈さんが紹介します。

京都と着物の関係

其の一、
日常生活に着物文化が根づいています
其の二、
京都の代表的な伝統産業に「西陣織」と「京友禅」があります
其の三、
市内には着物歩き特典のある施設が多数あります

京都は着物の町

都として栄えた京都で発展してきた産業の一つが着物。茶道、華道、能、狂言など伝統文化との結びつきも深く、祭事や花街の文化が色濃く残る地域には今も呉服店が多くあり、着物は身近な存在です。この時期に発行される「京都きものパスポート」を持って着物で出かけると、市内各所で様々な特典があります。

[京都の「織り」と「染め」] 着物地の種類は「織り」と「染め」に大別されます

[織り] 先に糸を染めてから織り上げたもの

[染め] 生糸で縫った白生地に模様を染めたもの

進歩する織りの技 西陣織

西陣織のルーツは平安時代の織部司。貴族の豪華な着物を織りました

1467(応仁元)年の応仁の乱で西軍の本陣が置かれたことから「西陣」と呼ばれるようになった地で、職人が始めた絹織物。明治時代にはフランスからジャカード機を導入するなど新しい技術を積極的に取り入れています。紬(つむぎ)・絣(かすり)など種類が多岐にわたり、金糸・銀糸を用いた豪華な能装束や袋帯をはじめ、多彩な製品を織り上げています。

織成舘(おりなすかん) 見学・体験
  • 10時~16時(体験は要予約) 月曜休業
  • 大人500円・小中高生350円 ※体験料は別途
  • 075-431-0020 orinasukan.skr.jp
  • 出町柳駅から市バス 201・203系統 今出川浄福寺下車 北へ徒歩約5分

都の風雅を染め上げる 京友禅

江戸時代、京友禅は最先端のファッション。はやりの柄や色などもあったとか

江戸時代に扇絵師・宮崎友禅斎によって始められたきらびやかな模様染め。筆で色をさす手描き友禅と、型紙を使う型友禅があり、いずれも出来上がりまでの工程は専門の職人による分業で行われます。京友禅は染めの多彩さだけでなく、仕上げに金箔や刺繍(ししゅう)を施して立体感や華やかさを加えるのが特徴です。

染工房 高橋徳(たかはしとく) 体験(工程説明・見学含む)
  • 13時~16時30分(水・金・土・日曜、要予約) 不定休
  • 体験料12,000円から
  • 075-211-1664 www.takahashitoku.com
  • 地下鉄烏丸御池駅下車 北西へ徒歩約10分

着物で町歩きを楽しもう

毎年10月に発行される「京都きものパスポート」。着物姿でこのパスポートを提示すると、京都市内の社寺・美術館・店舗などで様々な優待や特典が受けられます。
※無料配布中(数には限りがあります)

京都きものパスポートの公式サイトはこちら!

染匠きたむら

着物レンタル・着付けの店。友禅染の工房が営み、多彩な柄の着物から小物までがそろいます。店内には着物地を生かしたオリジナルの和装小物も並んでいます。

<パスポート特典>
着物で来店すると、京グッズ進呈。散策中の着崩れを無料で直してくれる「着くずれレスキュー」のサービスも

鍵善良房本店

祇園に立派な店を構える和菓子の老舗は、着物で訪れるとまた違った心持ちに。看板商品「菊寿糖(きくじゅとう)」は150年も前から受け継がれている和三盆のお菓子です。

  • 9時~18時 ※土・日・祝日は19時まで
    月曜(祝日は翌日)休業
  • 075-561-1818 www.kagizen.co.jp
  • 祇園四条駅下車 東へ徒歩約5分

<パスポート特典>
着物で来店すると、鍵善オリジナル手ぬぐい進呈

制作:2008年9月
バックナンバー
第百九十五回 京都の巨木
第百九十四回 京都と将棋(しょうぎ)
第百九十三回 秋の京菓子
第百九十二回 京都の植物
第百九十一回 京都の風習
第百九十回 幻の巨椋池(おぐらいけ)
第百八十九回 京都と魚
第百八十八回 京都とお花見
第百八十七回 京の歌枕(うたまくら)の地
第百八十六回 京都の地ソース
第百八十五回 『源氏物語』ゆかりの地
第百八十四回 京の煤払(すすはら)い
第百八十三回 京都の坪庭(つぼにわ)
第百八十二回 どこまで分かる?京ことば
第百八十一回 京都の中華料理
第百八十回 琵琶湖疏水と京都
第百七十九回 厄除けの祭礼とお菓子
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第百七十五回 京表具(きょうひょうぐ)
第百七十四回 京の難読地名
第百七十三回 京の縁日
第百七十二回 京の冬至(とうじ)と柚子(ゆず)
第百七十一回 京都の通称寺
第百七十回 京都とキリスト教
第百六十九回 京都の札所(ふだしょ)巡り
第百六十八回 お精霊(しょらい)さんのお供え
第百六十七回 京の城下町 伏見
第百六十六回 京の竹
第百六十五回 子供の行事・儀式
第百六十四回 文豪と京の味
第百六十三回 普茶(ふちゃ)料理
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第百六十回 御火焚祭
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第百五十六回 貴族の別荘地・伏見
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第百五十四回 京の刃物
第百五十三回 京都の南蛮菓子
第百五十二回 京の社家(しゃけ)
第百五十一回 京都にゆかりのある言葉
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第百四十九回 京の牛肉文化
第百四十八回 京の雲龍図(うんりゅうず)
第百四十七回 明治の京都画壇
第百四十六回 京の名所図会(めいしょずえ)
第百四十五回 ヴォーリズ建築
第百四十四回 島原の太夫(たゆう)
第百四十三回 京の人形
第百四十二回 京の社寺と動物
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第百四十回 冬の食べ物
第百三十九回 能・狂言と京都
第百三十八回 京都と様々な物の供養
第百三十六回 京都とビール
第百三十五回 京都と鬼門(きもん)
第百三十四回 精進料理
第百三十三回 明治時代の京の町
第百三十二回 皇室ゆかりの建物
第百三十一回 京の調味料
第百三十回 高瀬川
第百二十九回 蹴鞠
第百二十八回 歌舞伎
第百二十七回 京都に残るお屋敷
第百二十六回 京の仏像 [スペシャル版]
第百二十五回 京の学校
第百二十四回 京の六地蔵めぐり
第百二十三回 京の七不思議<通り編>
第百二十二回 京都とフランス
第百二十一回 京の石仏
第百二十回 京の襖絵(ふすまえ)
第百十九回 生き物由来の地名
第百十八回 京都の路面電車
第百十七回 神様への願いを込めて奉納
第百十六回 京の歴食
第百十五回 曲水の宴
第百十四回 大政奉還(たいせいほうかん)
第百十三回 パンと京都
第百十二回 京に伝わる恋物語
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第百十回 扇子(せんす)
第百九回 京の社寺と山
第百八回 春の京菓子
第百七回 幻の京都
第百六回 京の家紋
第百五回 京の門前菓子
第百四回 京の通り名
第百三回 御土居(おどい)
第百二回 文学に描かれた京都
第百一回 重陽(ちょうよう)の節句
第百回 夏の京野菜
第九十九回 若冲と近世日本画
第九十八回 京の鍾馗さん
第九十七回 言いまわし・ことわざ
第九十六回 京の仏師
第九十五回 鴨川
第九十四回 京の梅
第九十三回 ご朱印
第九十二回 京の冬の食習慣
第九十一回 京の庭園
第九十回 琳派(りんぱ)
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第八十八回 妖怪紀行
第八十七回 夏の京菓子
第八十六回 小野小町(おののこまち)と一族
第八十五回 新選組
第八十四回 京のお弁当
第八十三回 京都の湯
第八十二回 京の禅寺
第八十一回 京の落語
第八十回 義士ゆかりの地・山科
第七十九回 京の紅葉
第七十八回 京の漫画
第七十七回 京の井戸
第七十六回 京のお地蔵さん
第七十五回 京の名僧
第七十四回 京の別邸
第七十三回 糺(ただす)の森
第七十二回 京舞
第七十一回 香道
第七十回 天神さん
第六十九回 平安京
第六十八回 冬の京野菜
第六十七回 茶の湯(茶道)
第六十六回 京の女流文学
第六十五回 京の銭湯
第六十四回 京の離宮
第六十三回 京の町名
第六十二回 能・狂言
第六十一回 京の伝説
第六十回 京狩野派
第五十九回 京寿司
第五十八回 京のしきたり
第五十七回 百人一首
第五十六回 京の年末
第五十五回 いけばな
第五十四回 京の城
第五十三回 観月行事
第五十二回 京の塔
第五十一回 錦市場
第五十回 京の暖簾
第四十九回 大原女
第四十八回 京友禅
第四十七回 京のひな祭り
第四十六回 京料理
第四十五回 京の町家〈内観編〉
第四十四回 京の町家〈外観編〉
第四十三回 京都と映画
第四十二回 京の門
第四十一回 おばんざい
第四十回 京の焼きもの
第三十九回 京の七不思議
第三十八回 京の作庭家
第三十七回 室町文化
第三十六回 京都御所
第三十五回 京の通り
第三十四回 節分祭
第三十三回 京の七福神
第三十二回 京の狛犬
第三十一回 伏見の酒
第三十回 京ことば
第二十九回 京の文明開化
第二十八回 京の魔界
第二十七回 京の納涼床
第二十六回 夏越祓
第二十五回 葵祭
第二十四回 京の絵師
第二十三回 涅槃会
第二十二回 京のお漬物
第二十一回 京の幕末
第二十回 京の梵鐘
第十九回 京のお豆腐
第十八回 時代祭
第十七回 京の近代建築
第十六回 京のお盆行事
第十五回 京野菜
第十四回 京都の路地
第十三回 宇治茶
第十一回 京菓子の歴史
第十回 枯山水庭園の眺め方
第九回 京阪沿線 初詣ガイド
第八回 顔見世を楽しむ
第七回 特別拝観の楽しみ方
第六回 京都の着物
第五回 仏像の見方
第四回 送り火の神秘
第三回 祇園祭の楽しみ方
第二回 京の名水めぐり
第一回 池泉庭園の眺め方