アートを感じる建物探訪
Vol.17
大阪府立
中之島図書館

住友家15代当主・住友吉左衛門の寄贈により、1904(明治37)年に「大阪図書館」として開館した大阪府立中之島図書館。1922(大正11)年に左右両翼の建物が増築され、現在の形に。1974(昭和49)年には国の重要文化財に指定されました。

120年以上にわたり存在感を示す「知の殿堂」は
大阪の商いを牽引してきたビジネス支援の拠点
古くから大阪の文化・学術の中心地である中之島にたたずむ大阪府立中之島図書館。古代ギリシア建築のコリント式円柱4本に支えられた、神殿を思わせる荘厳な意匠の正面玄関が印象的です。江戸時代までは本は音読が一般的でしたが、明治時代に入ると黙読が主流に。中之島図書館は、黙って本を読む本格的な公共空間として誕生しました。
外観はルネサンス様式、内部はバロック様式を基本とし、中央ホールは青銅製の円型ドームを見上げる吹き抜け空間に。シンボリックならせん状の大階段の壁面には、哲学者・ソクラテスや菅原道真など歴史上の賢人8人の名前が刻まれています。建設計画が上がった当時、この近辺に大きな建物がなかったことから、どの角度から見ても美しいようにと本館は十字型のデザインで建てられました。
開館からの数年間は有料で、入館料は2銭。さらに上の特別閲覧券は5銭。当時あんパンが1銭だったことから、入館には400円近い金額が必要だったと考えられます。「大阪に本格的な図書館ができたということでかなり期待値も高く、お金を払ってでも入りたいという人々の入館待ちの列ができていたそうです」とガイドツアー担当の大西佐季さんは語ります。
図書館としての機能にも大きな特色があると、大西さんは続けます。「この図書館は大阪商工の隆盛を図って創設されました。現在もビジネス支援課を設置し、起業やキャリアアップを考える方々に必要な資料や情報を提供しています」。一般に流通していない業界資料も多数収集。ビジネス資料室では、様々な業務で役立つ参考図書や資料が閲覧できます。商都・大阪の発展を支えてきた大阪府立中之島図書館は、今なお大阪の商人にとって心強い存在です。

半円形の扇窓が印象的な本館3階の記念室。創建当初は特別閲覧室として、大阪の要人たちが利用していたと言われています。 -
©ShoPro・長谷工・TRC共同事業体大阪に関わる資料が閲覧できる大阪資料・古典籍室。江戸時代や明治時代初期を中心とした和漢の古典籍は約20万冊所蔵しています。

昨年2月に本館と連結する新書庫棟が完成。新旧3棟に囲まれた中庭では、工事中に発見された旧書庫のレリーフを見ることができます。

自然光が差し込む昼、室内灯に照らされる夜とで見え方が異なる中央ホールのステンドグラスがお気に入りです。とてもきれいなので、ぜひ見に来てください。
職員
大西 佐季(おおにし さき) さん
兵庫県出身。株式会社図書館流通センターに所属し、大阪府立中之島図書館の司書として勤務。貸し出しなどの図書館業務に携わるほか、毎週土曜開催の館内ツアーでも活躍、建物の歴史や建築の魅力を広く伝えている。
「大阪の伝統工芸品展」
3月3日(火)~28日(土)
※3月14日(土)はワークショップを開催

大阪府立中之島図書館
- 9時~20時 ※土曜は17時まで
日・祝日、3・6・10月の第2木曜休館 - 06-6203-0474
- 大阪市北区中之島1-2-10
- なにわ橋駅下車 西へすぐ、
淀屋橋駅下車 北東へ徒歩約5分
※営業時間はホームページをご覧ください
大阪府立中之島図書館周辺の人気スポットでブレイクタイム
OUIウィ

テラス席から中之島公園が一望できるイタリアンレストラン。肉・魚・グリル料理からメインが選べる週替わりのランチセットが人気です。工夫を凝らしたソースを使って素材の旨味を引き出した料理が味わえます。
- 11時~14時(L.O.)
17時30分~22時(L.O.)
※土・祝日の昼は11時30分~14時30分(L.O.)
日曜休業 - 06-6233-1192
- 大阪市中央区北浜2-1-21
- 淀屋橋駅下車 東へ徒歩約5分
KITAHAMA DONUTSキタハマ ドーナツ

北海道産の小麦粉やバター、京都産の濃厚な卵を使用したドーナツ約13種類が並ぶドーナツショップ。昼時はコッペパンにキーマカレーをサンドした「キーマカレーサンド/650円」や「ミニスープ/390円」も好評です。
- 10時~14時30分 ※売り切れ次第終了
金~日曜休業 - 06-4708-7705
- 大阪市中央区今橋3-2-15
- 淀屋橋駅下車 南東へ徒歩約5分