京阪沿線でお気に入りのアートを見つけよう!
アートと巡る建物探訪
Vol.1
大阪中之島美術館
構想から約30年の時を経て開館した大阪中之島美術館。オフィスビルが立ち並ぶ中で異彩を放つ黒い箱、館内に入ると吹き抜けの大空間にふたつの長いエスカレーターがクロスする流動的な直線美が、来館者を出迎えます。
約30mの吹き抜けを貫くエスカレーターが
ダイナミックに交差する、大阪の新たなアート空間
高層ビルの間に突如現われる漆黒の箱。この威風堂々たる建物は、第一級のコレクションを所蔵する大阪中之島美術館です。デザインの発表当初は、黒い外壁という建築家・遠藤克彦さんによる斬新なアイデアが関係者を驚かせましたが、今ではすっかり周囲の環境になじみ、中之島の人気スポットになっています。
「黒は日光に反射すると白く光って見えることもあるので、外壁は常に黒く見えるよう試行錯誤しました」と語るのは館長の菅谷富夫さん。「一畳大のコンクリートパネルに黒い石と黒い顔料を混ぜて貼り付け、表面は無数の石を浮き立たせて凹凸感を出しました。そうすると乱反射で黒く見えるのです。さらに上から黒く塗って完成させました。外壁にはそのパネルを貼っています」。
大阪中之島美術館はフランス語で「小径(こみち)」を意味するパッサージュが、人と人、人とアートをつなげています。2階と展示室のある4階を結ぶ長いエスカレーターもそのひとつ。薄明かりの中をゆっくりと上昇し、4階へ。自然光も差し込む空間が出現し、まるで別世界に来たかのようです。
「2階から4階まで移動するのに、1分半ほどかかります。 『これから作品の世界に入り込むぞ』という気持ちを整えるには、この時間がちょうど良いのでは」と語る菅谷館長。
開館中、自由に通行できる1階と2階のパッサージュは、パブリックなスペースとして機能しています。また、外周や芝生広場は休館中も立ち入り可能で、訪れる人たちの憩いの場に。東西南北に配された窓も、大阪中之島美術館の資料を閲覧できるアーカイブズ情報室も「誰にでも開かれた場」を表しています。そこには“場”と“知”を開放し、共有することで「私たちの美術館」と感じてもらいたいという思いも込められています。
5階のパッサージュから見える堂島川沿いの風景がお気に入りです。展示室に入る前に、ちょっと足を止めて眺望を楽しんでください
大阪中之島美術館館長
菅谷 富夫(すがや とみお) さん
1958年千葉県生まれ。滋賀県陶芸の森学芸員などを経て現職に。担当した主な展覧会は「美術都市・大阪の発見」展(1997年)、「早川良雄の時代」展(2002年)など。
大阪中之島美術館
- 10時~16時30分(入場) ※展覧会により異なる
月曜(祝日は翌平日)、7/19(火)~22(金)休館
※9/20(火)は開館 - 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
- 大阪市北区中之島4-3-1
- 渡辺橋駅下車 南西へ徒歩約5分
大阪中之島美術館周辺のアートの余韻を楽しむスポット
GURFAグルファ
バターをたっぷり使い、鉄板でパンの表面をカリッと焼くグリルサンドイッチの専門店。店主がアメリカ・オレゴン州のカフェで出会った料理をイメージしたサンドイッチは、いずれもボリューム満点です。
- 11時~19時(L.O.) 火曜休業 ※ほか月1回不定休あり
- 06-6476-8662
- 大阪市北区中之島3-1-2
- 渡辺橋駅下車 南西へ徒歩約5分
graf studio(shop&kitchen)グラフ スタジオ(ショップ&キッチン)
デザイン会社が展開するインテリアショップ&カフェ。自社の家具工場で製作したオリジナル家具をはじめ、職人の手仕事によるキッチンバサミなど、暮らしにまつわるデザイン性の高いグッズが人気です。
- 11時30分~18時
月・第2火曜休業 ※ほか不定休あり - 06-6459-2100
- 大阪市北区中之島4-1-9
- 中之島駅下車 南東へ徒歩約10分
営業情報は通常のものを記載していますが、政府および地方公共団体の要請により、時間を短縮するなど変更になる場合があります。