昔ながらのしば漬を求めて。
辻しば漬本舗

その昔、里の人たちが建礼門院に紫蘇(しそ)を使った漬け物を献上したところ、「紫葉漬け」と名付けられたという逸話も伝わる「しば漬」は、大原の気候風土に根差した特産品のひとつ。


赤紫蘇と茄子を塩のみで乳酸発酵させてつくる昔ながらのしば漬を求めるなら、1970(昭和45)年の創業以来、赤紫蘇の栽培、漬け込み、販売までを一貫して手がける「辻しば漬本舗」を訪ねたい。

「赤紫蘇は大きくわけて2種類。大原の赤紫蘇は色の鮮やかさは控えめですが、大葉を思わせる清涼な香りが特長。希少な古来種なんですよ」と2代目の辻和豊さん。ごはんのおともになるのはもちろんのこと、ほどよい酸味を生かし、ピクルスの感覚で料理に活用できます。
辻しば漬本舗 京都市左京区大原上野町483075-744-2839
8:30〜17:00
木曜日
野村別れ(里の駅大原)バス停下車すぐ
プロも求める自家製ぽん酢。
味工房 志野 大原街道店

「味工房 志野」は、和食の板前として腕を磨いた当主の辻美正さんによる、自家製ぽん酢とドレッシングの専門店。ゆず果汁をふんだんに使いつつもまろやかな酸味が使い勝手抜群の看板商品「ゆずのぽん酢」をはじめとした、ぽん酢が数種、ドレッシングは20種ほどをそろえるバリエーションの豊富さが魅力です。

プロの料理人もとりこにする秘密は、「京料理らしく、鰹節や昆布、椎茸など味に深みがでる天然素材をたくさん使っていること」。毎日の食卓を豊かにする名脇役を探してみてはいかがでしょうか。
味工房 志野 大原街道店 京都市左京区大原戸寺町173-2075-744-2470
9:00〜18:00(日曜日は7:30から)
無休
戸寺バス停下車すぐ
地の食材をいかした古民家レストラン。
わっぱ堂

里山の風景に溶け込む、完全予約制の古民家レストラン。築約140年の時を紡ぐ空間には、縁側付きの畳の部屋と、目の前で料理ができていくライブ感に心弾むモダンな土間のカウンター席とが用意されています。

店主の細江聡さんが腕をふるう創作和食の食材は、農薬や化学肥料を使わずていねいに育てられた地元の野菜を中心に、川魚、地鶏、ジビエ、若狭と京都を結ぶ鯖街道が大原を経由することにちなんだ若狭の海の幸も。

週末の夜に居酒屋営業をはじめたところ、大原の農家と大原の野菜を求める街の料理人とが語り合える場になってきて。これからは新たな挑戦として夜の時間も大切にしていけたら」。お酒と一品料理を味わい、星の瞬く大原の夜に浸ってみるのも一興かも。
味工房 志野 大原街道店 京都市左京区大原戸寺町173-2075-744-3212
火・木・金曜日|12:00〜15:00、土・日曜日|11:30または13:30〜/17:30〜21:00(L.O.)※要予約
月・水曜日
大原バス停下車すぐ
薪焼きフレンチに酔いしれる。
la bûche(ラブッシュ)

大原出身のシェフ・森尚平さんとソムリエの葵さんご夫婦によるフランス料理店。地元の野菜、ジビエ、シェフみずから毎朝のフィールドワークで摘んでくる山野草を、店内中央に据える薪窯を使って創意工夫に富むコース仕立てにした“薪焼きフレンチ”が評判です。

この日のひと皿は鹿の内腿と外腿、白茄子のブルーベリーソース添え。「赤身と油のリッチな味わいや、薪のスモーキーな香りとの一体感を楽しんでほしいですね。ワインセラーにそろえる500種以上のナチュラルワインや山野草を使った自家製カクテルとのペアリングもひと皿ごとにご提案していますよ」。パチパチと弾ける火影を眺めながら耽美な時間に酔いしれて。

la bûche 京都市左京区大原来迎院町400-3075-600-9196
Lunch|月・木〜日曜日、Dinner|金・土・日曜日 Lunch|11:45〜15:30/Dinner|18:15〜22:00
※要予約火・水曜日
大原バス停下車すぐ
新鮮な野菜をビュッフェ形式で。
大原リバーサイドカフェ 来隣(きりん)

かつて木屋町で居酒屋を営んでいた八木敦さんが、「自然が豊かで、土、水、空気のすべてが整っている」と大原に店を構えたのが2013(平成25)年のこと。以来、里の恵みを気軽なランチで提供する店の先駆けとして、地元で親しまれています。

人気は、ふっくら炊きあげたご飯に自家製具材をあわせた「本日のおにぎり」5種と、大原産を中心とした野菜を使った十数種のおばんざいのビュッフェ。

「水は地下水。出汁をとるのもお米を炊くのも、味がぜんぜん違いますよ。また、夜は涼しくて日中が暑い。この寒暖差で野菜の味が締まるんです」。野菜そのものの味わいや食感が伝わる料理に心までが満たされます。
来隣 京都市左京区大原来迎院町114075-744-2239
11:30〜14:30
火曜日
大原バス停下車すぐ
有機野菜と朝市

大原では、この地に移り住んで有機農業に取り組む人たちが増えています。かつて会社員だった山本克也さん・夢さん夫妻も、17年前に大原で有機農業を始め、現在では年間で30〜40品目の路地野菜を栽培。2025年からは「山本小農園」として農業に取り組んでいます。「農業を通じて大原の未来のために貢献したい」と笑顔で話す山本さん。

山本小農園の野菜をはじめ、大原で生産されている野菜は、直売所「里の駅 大原」で購入可能。また、日曜・朝6時からの「大原ふれあい朝市」(里の駅 大原構内で開催)にも大勢の人が集まります。
里の駅 大原 京都市左京区大原野村町1012075-744-4321
旬彩市場(産直品販売)|9:00〜16:00 ※ふれあい朝市|日曜日 6:00〜9:00
野村別れ(里のえき大原)バス停下車すぐ
