坂本エリア
滋賀県大津市の比叡山麓に位置する「坂本」エリアを訪れると、その静謐な佇まいに深い感銘を受けます。比叡山延暦寺の門前町として栄えたこの地には、旧竹林院をはじめとする趣深い「里坊」が並び、それらを囲むように表情豊かな「穴太衆(あのうしゅう)積」の石垣が整然と続きます。秋から冬にかけて、日吉大社や西教寺で行われるライトアップは、現代の「夜さんぽ」やSNSの「映え写真」のメッカとして多くの観光客を魅了しています。
今回は、自然石を生かした伝統技法「穴太衆積み」を受け継ぎ、日本の美しい石積み文化を未来へつなぐ活動をされている、穴太衆十五代目頭・粟田純德(あわた すみのり)氏に、「おけいはん」としてご登場いただきました。
かつて比叡山延暦寺の営繕を担い、織田信長をはじめとする戦国武将たちに重用された職人集団・穴太衆。
自然石そのものの形や性質を見きわめ、図面なしで緻密に組み上げるその技法は、地震や豪雨にも耐えうる堅牢さを誇ります。
最盛期には数多く存在したこの穴太衆の石工職人も、一国一城令を原因の一つとした築城の衰退とともに担い手が激減。現在ではその圧倒的な技と精神を守り続ける職人は極めて稀です。
今回のプロジェクトでは、穴太衆の石積み発祥の地である滋賀県大津市坂本を舞台に、石垣が息づくまちの風景や、自然と向き合いながら石を積み上げる「穴太衆」の仕事への思いなどを撮影。粟田純德氏と俳優・仁村紗和さんとのおけいはん同士の対談では、先代から受け継いだ技術と精神、何百年先の景色をつくる職人としての覚悟についてお話しいただきました。
第十五代目穴太衆頭
粟田 純德(あわた すみのり)
2026年6月、比叡山の麓・坂本にある旧竹林院の茶室を訪ねました。
この日、俳優・仁村紗和さんがお会いしたのは、穴太衆十五代目・粟田純德さん。茶室から望む庭園には、穴太衆が積み上げた石垣が静かに佇んでいます。
あいにくの雨模様でしたが、しっとりと濡れた木々や苔、そして石垣は、晴れの日とはまた違う美しさを見せてくれました。
祖父から受け継いだ技術と精神。自然石と向き合い、水と共生しながら積み上げる穴太積みの哲学。そして、何百年先の景色をつくるという職人の覚悟。
雨音が響く庭園を眺めながら、日本の風景を支え続ける仕事について、お話を伺いました。













● 対談の全篇動画はこちら
SPOT DATA
対談で触れた石積みの景色を、坂本・比叡山で実際にたどってみませんか。
坂本エリア
坂本エリア
坂本エリア
比叡山エリア
比叡山全域に広がる延暦寺の横川エリア。朱塗りの堂宇と石積みの景観を楽しめます。
アクセス叡山電車八瀬比叡山口駅から叡山ケーブル・ロープウェイ 比叡山頂駅から比叡山内シャトルバス 延暦寺バスセンター下車すぐ / 坂本比叡山口駅から坂本ケーブル ケーブル延暦寺駅下車 北西へ徒歩約10分 / 三条駅・出町柳駅からバス 延暦寺バスセンター下車すぐ