仁寿年間（851-854）に仏教歌謡である声明（しょうみょう）音律の修練道場として開山。1109年に再興され、現在の本堂は1533年に再建されたもの。本堂には、重要文化財に指定されている薬師・阿弥陀・釈迦の三如来坐像が安置されています。

美しい庭を有する天台五ヶ室門跡のひとつ。境内には客殿や、国宝の阿弥陀三尊像を安置する往生極楽院、本堂の宸殿（しんでん）などの荘厳な建物が点在しています。また、有清園（ゆうせいえん）と聚碧園（しゅうへきえん）のふたつの美しい庭が多くの参拝者を魅了しています。

仏教声楽である声明の一派、大原流の伝承拠点であり、法然上人と諸宗の学僧による宗論「大原問答」の舞台としても知られます。この問答から、本尊の阿弥陀如来坐像は「証拠の阿弥陀」と呼ばれています。1778年に再建された総欅造り現在の本堂は、欄間（らんま）や蛙股（かえるまた）などから、当時の木彫技術の素晴らしさを伝えています。

天台宗の僧房で、大原の山なみを借景に、樹齢700年の五葉の松ほか、楓や桜、竹林など、書院からの風景がまるで絵画を見るようなことから“額縁のお寺”と称されています。また、境内南側の宝楽園は、枯山水などの日本庭園を散策して立体的に楽しむことができます。

大原とその近郊農村でとれた、旬の野菜を扱う産直市場。場内では、低農薬や有機無農薬で作られた野菜や特産品も販売されています。また大原の旬の野菜を使った食事ができるレストラン「花むらさき」も併設。