Tsugu Story

「歴史ロマンというより、
…大自然の神秘!?」
京阪電車 石山坂本線で「石山寺」にやってきたおけいはん。境内に突き出た巨大な岩山に驚いていると、

「不思議な景色でしょう? なにしろ平安以前からの大人気パワースポット。
あの紫式部が “ いい物語が書けるように” と願いにきたと言われるのも納得ですね」
と教えてくれる声が。
源氏物語を研究する
山本淳子先生です。

「歴史ロマンというより、
…大自然の神秘!?」
京阪電車 石山坂本線で「石山寺」にやってきたおけいはん。境内に突き出た巨大な岩山に驚いていると、
「不思議な景色でしょう? なにしろ平安以前からの大人気パワースポット。あの紫式部が “ いい物語が書けるように” と願いにきたと言われるのも納得ですね」
と教えてくれる声が。
源氏物語を研究する
山本淳子先生です。



どの時代にも熱烈なファンがいる世界最古の恋愛小説、源氏物語。
それは平安時代のキャリア女子、紫式部が描いた超リアルな人間ドラマでもありました。
「そんな恋のドラマをつくりだす、パワーのかけらでも授かれたら…」。
おけいはん、
岩山の先にある本堂へおまいり。




おまいりの後は、
源氏物語が誕生したと伝わる部屋を眺めて、おみくじを引いて。
「楽しみすぎかな?」
と反省するおけいはんに、

「じつは平安時代のお寺まいりは、ホテルのようにお寺に泊まって景色を楽しむ、リゾート旅でもあったんですよ」
と先生。

伝説によると、
“読んだことのない物語をつくって”と
主人から依頼され、悩んでいた紫式部。
非日常の旅に癒やされ、極上のアイデアがひらめいたのかも。
「だけど…
彼女のイマジネーションは、もっと深いところから湧いている気がして」。
先生がポツリとつぶやきます。



石山寺を出て、びわ湖のほとり、
源氏物語にも登場する「打出浜」へ。
紫式部はこの湖から京を離れ、将来の夫になる人と遠距離で愛を育んだとか。
「けれど、せっかく結ばれた夫がたった3年で亡くなってしまい、
人生のはかなさを深く考え込んだようです」 と先生。


どうしようもない運命や、思うままに
生きられない現実から逃れるように、
紫式部は空想の世界へ。
そうして書きあげられた源氏物語には、
この湖面のようにキラキラした光だけ
じゃなく、
暗い闇の部分も描かれています。
だからこそ、千年の時をこえてみんなの心をつかむのでしょう。



「たとえ悲しい恋でも…」
その想いは、きっと自分を成長させてくれるはず。
千年も前の人から、ガンバレ!と背中を押してもらった気がするおけいはん。
“ひかる恋を継ぐ”って、私たちに恋する勇気をくれる物語のことなのかも。
「私を磨いてくれる恋、どこかにあるはず!」
新たに期待をふくらませるおけいはん、
沿線でどんな“ひかる恋”に出会えるでしょうか…
くわしくはインスタグラムを見てくださいね。


平安文学研究者。京都大学文学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科修了、博士号取得(人間・環境学)。
現在、京都先端科学大学教授。
2007年『源氏物語の時代』(朝日選書)で第29回サントリー学芸賞を受賞、2015年『平安人の心で「源氏物語」を読む』(朝日選書)で第3回古代歴史文化賞優秀作品賞を受賞するなど、多くの書籍やメディアで平安文学の魅力を解説。

おけいはんが平等院のある宇治など、源氏物語ゆかりの地をめぐり、
当時の人々の心にふれます。
ぜひごいっしょに、もうひとつの“ひかる恋”ワールドへ。
石山寺
紫式部が源氏物語を書きはじめた、と伝わる「源氏の間」が本堂に。その本堂や多宝塔など、国宝を含む建物のほとんどが巨大なひとつの岩山に立つ景観は神秘的で、天才作家でなくても想像力を刺激されます。境内のお店には、京都の老舗とコラボした源氏物語イメージのお香グッズも。
- 料金
-
入山料:大人600円、
印香 源氏の花々:1,250円、
匂香 紫式部 掛香 訶梨勒(かりろく)(左):2,000円、
匂香 紫式部 掛香 十二単(右):2,000円 - 拝観時間
- 8:00~16:30(最終入山16:00)
- 定休日
- なし
- 電話番号
- 077-537-0013
- アクセス
- 石山寺駅下車 南へ徒歩約10分
Google Mapを開く>
叶 匠壽庵 石山寺店
約半世紀前に大津で創業。石山寺の門前で参拝者をもてなす店の新名物は、
なんと硯(すずり)をイメージした和菓子。紫式部の愛用品とされる“二面の硯”にちなんで、黒豆で濃墨、小豆で薄墨を表現した葛焼きは、上品な甘さ。
そのままはもちろん、黒蜜や抹茶をかけるのもおすすめです。
- おすすめ商品
-
イートイン「葛焼き染め筆」600円《 小豆・黒豆 各1個(黒蜜・ほうじ茶付き)》、
お持ち帰り 1,080円《 小豆・黒豆 各2個(黒蜜・抹茶きな粉付き)》 - 営業時間
- 10:00~16:30(L.O.16:00)
- 定休日
- 水曜(祝日を除く)
- 電話番号
- 077-534-6331
- アクセス
- 石山寺駅下車 南へ徒歩約10分
Google Mapを開く>
打出浜(大津湖岸なぎさ公園)
紫式部が京を離れ、未来の夫と遠距離で愛を育む旅の出発地となったびわ湖。その湖を望む「打出浜」は、源氏物語にも登場する昔からの名所です。千年前から変わらない山並みや水平線を眺め、紫式部の揺れる心に思いをはせた後は、人気のカフェやレストランが並ぶ「なぎさのテラス」でひとやすみ。
- アクセス
- 石場駅下車 北へすぐ
Google Mapを開く>
片岡社(上賀茂神社)
源氏物語にも描かれる「葵祭」を、平安以前から継承してきた世界遺産の社、
上賀茂神社。なかでも女性の守り神として人気の片岡社は、紫式部も訪れて恋に憧れる心を歌にしたとか。紫式部の姿とその歌をあしらった縁むすびの「片岡絵馬」に、あなたも大切な人への気持ちをそっと託してみませんか。
- 料金
- 境内無料 片岡絵馬:500円
- 拝観時間
- 上賀茂神社:境内自由(ニノ鳥居 5:30〜17:00、楼門及び授与所 8:00〜16:45)
- 電話番号
- 075-781-0011
- アクセス
- 出町柳駅からバス 上賀茂神社前下車すぐ
Google Mapを開く>
廬山寺
本堂の広い廊下に面した「源氏庭」の、清らかな美しさにうっとり。紫式部が
家族と住まい、源氏物語を執筆した邸宅跡とされるお寺には、貴重なゆかりの品々が展示されており、ファンにとっては隠れ家のような聖地。物語を知らない人でも、苔と白砂のお庭を眺めて、心洗われる時間を過ごせます。
- 料金
- 大人500円(源氏庭)
- 拝観時間
- 9:00~16:00
- 定休日
- 1/1・2/1~9
- 電話番号
- 075-231-0355
- アクセス
- 出町柳駅下車 南西へ徒歩約15分
Google Mapを開く>
ひかる恋をめぐる京阪沿線のおでかけコラム、
“K PRESS web”に掲載しています!
おけいはんが平等院のある宇治など、源氏物語ゆかりの地をめぐり、当時の人々の
心にふれます。ぜひごいっしょに、もうひとつの“ひかる恋”ワールドへ。