京阪電鉄の温室効果ガスの削減
鉄道の省エネルギー
鉄道は他の交通機関と比べて、エネルギー効率の良い乗り物とされていますが、鉄道の運行には大きな電力が必要で、この電力を発電する過程でCO2が発生します。京阪電気鉄道(株)は、「鉄道電力削減プロジェクト」を2003年に開始し、省エネルギー車両の導入や鉄道設備のLED化などにより省エネルギー化を推進しています。

省エネルギー車両の導入
(京阪電気鉄道(株))

「VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータ制御」や「回生ブレーキ」を取り入れた省エネルギー車両の導入を進めています。「VVVFインバータ制御」は、半導体素子を用いて電圧と周波数を変化させながら交流モーターを駆動する方式で、 電気抵抗を使わずにモーターの回転数を効率よく制御します。「回生ブレーキ」とは、モーターを発電機として使用し、減速時の運動エネルギーを電気エネルギーに変換することでブレーキ力を発生させる方式です。発生した電力は架線に戻され、走行中の他の列車が使用することで、消費電力の削減に大きく貢献します。2024年3月末現在で100%が回生ブレーキ車両となりました。最新型の13000系車両では、従来の車両(2600系)との比較で約35%の電力削減効果を実現しています。
省エネルギー車両導入状況


信号機(基) | 612/815 | 75.1% | |
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鉄道車両 | 車内灯 | 465/669 | 69.5% |
前照灯 | 206/220 | 93.6% |
2023年度実施箇所 | 千林、滝井、守口市、古川橋、萱島、枚方市、牧野、丹波橋、河内森、私市 |
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LED照明導入率 | 51.0% |
電力設備の省エネルギー化(上下線一括き電)
上り線と下り線のき電線を電気的に接続することで、回生ブレーキで発生した電気を加速中の列車に最短で送り、電力消費量の軽減を図ります。また、架線での電力損失低減も期待できます。

車両用クーラー更新(新冷媒化)

車両冷房装置の更新時、空調装置の冷媒にオゾン層破壊係数がゼロの「R407C」を使用し、環境負荷の低減を図っています。2024年3月末現在、607両中484両が新冷媒クーラーに替わっています。2024年度も14両の更新を予定しています。なお、廃棄処分する冷房装置は義務として処理業者の委託確認書を交付し、フロン類を適切に処理しています。
機能性フィルム(遮熱・断熱フィルム)
車両空調環境の改善と空調機による消費電力量の削減を目的に、8000系全車両の窓ガラスに遮熱・断熱効果のある機能性フィルムを2019年から貼り付けています。