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京阪のこれから

Strategy

運輸、不動産、流通、レジャー・サービスなど、約50社のグループ会社をリードし、
経営ビジョンを実現するための戦略を編み出す、京阪ホールディングスの経営企画室。

グループの経営戦略を担当するお二人に、
“経営戦略・経営計画のつくりかた”について伺った。

2004年入社
商学部卒

京阪ホールディングス株式会社
経営企画室 経営戦略担当(全社戦略)
課長

入社後、経理分野で幅広い業務に従事し、グループ全体の事業を数値面から把握する立場を経験。2017年より経営戦略担当として、経営ビジョン・中長期計画策定に従事。

2008年入社
法学研究科修了

京阪ホールディングス株式会社
経営企画室 経営戦略担当(全社戦略)
課長

入社以来、法務担当として京阪グループ全体の法律相談や訴訟支援、コンプライアンス業務、コーポレート・ガバナンス(企業統治)を担当。2022年より現職。

※社員の所属や掲載内容は、取材当時のものです。

京阪のこれから1THEME

京阪グループを取り巻く環境の変化について

京阪ホールディングスは、2016年4月に京阪電気鉄道が持株会社体制に移行して、誕生しました。ホールディングスとしてはまだ数年ですが、前身となる京阪電気鉄道は、1906(明治39)年に渋沢栄一翁を創立委員長として誕生した、長い歴史をもつ会社です。創立以来、鉄道を軸に沿線地域の発展に貢献すべく、不動産、流通、レジャーなどさまざまな事業を展開してきましたが、いつの時代も取り巻く環境の変化に着実に対応し、京阪グループは進化を続けています。

実際、私が入社した当時のグループ利益の構成は鉄道事業が一番大きかったのですが、すでに沿線人口の減少が始まっており、将来的に鉄道収入が下がっていくことは予測されていました。これに対応するために、不動産事業の強化が掲げられ、沿線内外での積極的な事業展開を図ってきたことで、今では不動産事業のグループ利益に占めるウェイトが一番大きくなっています。
このほか、ホテルなどの分野でも沿線で培ったノウハウを活かして沿線外に展開していくことで、事業拡大を実現していくのですが、京阪グループの更なる成長には、既存事業の延長線上で時代の変化に対応するだけでなく、各事業が自立的に新たな価値を創造することが必要となる・・・それがホールディングス化した大きな理由だと思います。 

私が入社した2008年には、すでにホールディングス化の話があがっていました。ホールディングス化によって各事業の競争力を強化するとともに、M&Aで新たな事業もグループに迎えながら、グループシナジーを活かし、更なる成長を目指す考え方です。

とはいえ、移行当初は少し不安もありました。6,000~7,000人規模のグループに対し、ホールディングスは当時、単体で100~200人程度。小さな組織で多岐にわたる事業を成長させる舵取りができるのか・・・それこそ、進取の精神でやるしかない!と。

その後2018年の5月に、経営ビジョン「美しい京阪沿線、世界とつながる京阪グループへ」と、中長期の戦略からなる長期戦略構想を発表しました。経営ビジョンの目標年次は2050年に設定し、激変する外部環境の中にあって、京阪グループが持続的に成長し続けるために、バックキャスティング思考で今から課題への取り組みを開始することを宣言するものです。同時に発表した長期経営戦略については、現在進行中の枚方や淀屋橋など、沿線における大型の拠点開発プロジェクトが、中期経営計画のような3カ年程度では語り切れない規模でしたので、目標年次を2026年として策定しました。

当時の長期経営戦略の主軸戦略は、「沿線再耕」「観光共創」「共感コンテンツ創造」の3つ。計画に沿って事業を進めていたのですが、ご承知の通り、新型コロナウイルス感染症のパンデミックで世界中が未曾有の事態に・・・。

誰もいない駅、誰もいない地下街、衝撃の日々でしたね・・・。
しばらくは緊急時対応をとっていましたがコロナ禍後の社会が見え始めると、いろいろなことがわかってきました。コロナ禍による計画の仕切り直しは必要でしたが、想像していた経営環境がガラッと変わったというよりは、スピードが早まった印象でした。

例えば、技術革新によってテレワークやリモートワークが進み、将来的に鉄道利用が減少していくことはある程度想定していましたが、まさかこのスピードでくるとは・・・。一方、外出自粛を経て、観光などの“体験”は、リモートでは代替できない価値であることも再認識しました。このような変化を踏まえ、長期経営戦略のディティールは活かしつつ、計画をブラッシュアップすべく、新たな戦略策定に向けた準備を始めました。

京阪のこれから2THEME

長期経営戦略と中期経営計画「BIOSTYLE~深化と挑戦~」の策定について

ホールディングスのミッションは、リーダーシップを発揮し、グループの経営資源を有効活用したグループ横断的な戦略を積極的に講じていくこと。 最初に着手したのは現状把握です。まず、グループ各社を訪問し、計画の進捗や課題、ホールディングスとして支援してほしいことなどをディスカッションし、グループ各社が目指すべき姿を整理していきました。

各社が課題と捉えていたのは、急速に進む技術革新への対応が多かったように思います。今後の競争力の維持・強化にはデジタル技術の活用が不可欠であるものの、各社それぞれで検討するにはリソースが足りない。改めてホールディングスが旗を振り、DXを進めていく必然性や重要性を痛感しました。

経営層とは、戦略のイメージ段階からやりとりを行い、大枠の方向性を決定し、その後、細部を詰めていきましたが、特に目標水準に関しては、何度も擦り合わせしました。同時に、「BIOSTYLE」という切り口で、お客さまに共感され社会課題の解決に寄与するサービスや事業にビジネスとしてどう取り組んでいくかについても話し合いました。

想定する2050年像、経営ビジョンの実現に向けた具体策をとりまとめ、言語化していく作業は簡単ではありませんでしたが、経営戦略担当としてチームで協力しながら形づくっていきました。新たな長期経営戦略では、社会的価値と経済的価値を両輪で創造する「BIOSTYLE経営」の推進を掲げ、それを具体的に進めるための3カ年のアクションプランとして、中期経営計画「BIOSTYLE~深化と挑戦~」を策定しています。主軸戦略としては、「沿線再耕」「体験価値共創」「地球環境保全」の3つを設定し、2023年3月に発表しました。

私は、2022年7月の異動で現在の部署に着任しました。そのときにはすでに中期経営計画の骨子はほぼできあがっており、私の役割は、それを社内外に発表し、浸透させること。計画というのは、人の手で実現して初めて意味がありますから。

社員への説明は、グループ会社の役員も含めて対面形式でリアルに集まってもらい、複数回にわたり実施しました。社長自らがすべての説明会に登壇し、自らの考えや思いを直接伝える姿が、主催側としても印象的でした。経営トップが、新入社員も含む若い社員の前に出て、各回数十名程度の参加者に向けて、一人ひとりの顔が見える距離で話をして。質疑応答でも、担当役員による回答の後、社長がそれに重ねて自分の考えを発信する。少数精鋭だからこその、経営層との距離の近さや裁量の大きさは、京阪ならではの魅力だと思います。

裁量の大きさということで言えば、経営戦略のチームでも、経営戦略の業務だけではなく、再開発等のプロジェクトも手掛けていますよね?

ええ、私が担当している京都駅東南部エリアのプロジェクトでは、アートコレクティブ「チームラボ」と一緒に、「チームラボ」のアートミュージアムや市民ギャラリーからなる複合文化施設の整備を進めています。自前主義ではなく、他社との協業によって価値創造のスピードアップを図ることが今後は重要だと考えていたところ、「チームラボ」からお声がけをいただき、京阪グループとして参画に踏み切りました。このプロジェクトは観光拠点を開発して終わりではなく、施設運営の中で魅力ある観光体験を提供・発信していく「体験価値共創」そのもの。ぜひやりたいと思って担当したプロジェクトです。

他にも、今回の長期経営戦略には、「BIOSTYLE経営」推進のための経営基盤強化として、DXや人財戦略も盛り込んでいます。昨今「人的資本経営」が注目されていますが、持続的な企業価値の向上には、従業員がいきいきと活躍する環境整備が欠かせません。私は社内の人財戦略委員会のメンバーとして、人事部や関係各部とともに人財戦略の策定にあたりました。これまで以上に社員がチャレンジできる機会を提供したり、多様な人財が安心して働けるよう、今まさに検討しているところです。
私自身、フレックスや在宅勤務制度を活用することで、子育てをしながらやりがいある仕事もできていると感じます。自身の経験も活かしながら、京阪グループをさらに働きがいのあるところにしていきたいですね。

京阪のこれから3THEME

戦略推進とこれからについて

戦略に沿って施策を具体的に進めていくにあたり今感じているのは、国内・インバウンド需要など、外部環境の好転が想定を上回るスピードで進んだことで、「守り」を固めてきたコロナ禍から一転して、「攻め」の局面を迎えることになり、計画やマインドとのギャップが生じていることです。施策を着実に推進していくだけでなく、施策実施のスピードアップが求められていると肌で感じています。

そうですね。また、私たちにとって最大のチャレンジは、「BIOSTYLE経営」をグループ各社が自立的に実施できるようにすること。
BIOSTYLEは、“京阪版SDGs”として、人々の暮らしの価値を高めると同時に、社会課題解決に資する商品・サービス・事業を創出する京阪グループの取り組みですが、ビジネスとして社会課題解決と利益成長の両輪で創造を実現するというのは、まさに「新たな価値創造」、新たな事業や商品・サービスの創造への挑戦です。グループ各社の取り組みをホールディングスとしてどのように支援し、後押しするのか・・・。法務担当で培った知識や経験も活かしながら、何ができるのか考えています。 

それから、やはり、事業を実際に進めていくのは「人」。先ほども触れた通り、人財は戦略として非常に重要だと考えています。働いている中でも、京阪グループの根幹には、人と人との強いつながりがあると感じます。私自身、直接一緒に働いたことのない先輩と飲みに行くことも多いですし、その場所が相談の場になったり、ビジネスのきっかけになったりすることも少なくありません。“新しい自由”を作る場として、そうしたつながりの場所、コミュニケーションの機会をこれからも大切にしていきたいですね。

私もそう思います。京阪の魅力は、顔と名前を知ってる人たちと、こんなにも大きな仕事ができるんだというところにあると思います。部署や事業を横断して何かに取り組むとき、自分が若手の頃からよく知っている先輩や同期、そして後輩と一緒に進められるのは心強いし、面白い。こうした人のパワーを活かして、これからも事業を推進していきたいと思います。

経営戦略担当メンバー

学生のみなさんへのメッセージ

「一緒にチャレンジしてくれる人」にぜひ応募してほしいと思います。明治時代、鉄道を敷くことは大きなチャレンジだったと思いますし、それに続いて沿線を開拓するというチャレンジ、ビジネスを派生させて沿線外に出て行くというチャレンジ・・・そして、今はBIOSTYLEを軸とする新たな価値創造にチャレンジしているところです。
自分の目線で考え、柔軟な発想やアイデアをもち、めげずに何度でもチャレンジできる人と一緒に働きたいと思っています。

いろいろ面白がってやれる人にきて欲しいと思います。京阪グループは、さまざまな事業を展開していて、これまでに縛られない新しいチャレンジが求められています。難問も面白いと思える人、そういう方と一緒に働きたいと思います。
また、企業研究をしていると、社内制度や福利厚生など、定量的に比べられるものに意識が向きがちですし、実際私もそうでした。でも、それはあくまでひとつの基準。楽しく仕事ができるか、やりがいをもって仕事ができるかは、制度だけでは測れません。実際に働く自分を想像してみて、やってみたいと思えるか。あなたにとって、面白そうだと思える会社が京阪だったなら、とてもうれしいです。

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