人財戦略・人財多様性の推進
人財戦略
人財の多様性の確保を含む人財育成方針・
社内環境整備方針
持続的な企業価値向上に向けて、新たな価値を創造し続けるため、多様な人財一人ひとりが持つ能力・パフォーマンスを最大限引き出すとともに、挑戦と変革を生む風土改革を推進することで、従業員が「BIOSTYLEなマインド」で、いきいきと活躍する環境を整備することを人財戦略として定めています。従業員一人ひとりの“個”の能力とパフォーマンスの最大化に向けて、ワークエンゲージメント(働きがい)の向上を図るとともに人財多様性を推進し、また、挑戦と変革を生む風土改革として、挑戦を促し自律的な成長意欲を高める制度整備や「人財を活かす」マネジメントを推進することを、人財の多様性の確保を含む人財育成方針・社内環境整備方針としています。
指標と目標
お客さまに必要とされる商品・サービスを提供し、企業として持続的に成長していくためには、これまで以上に女性の視点を含めて多様な視点を取り入れた経営が必要であると考えています。人財戦略やこれまでの取り組みを踏まえて、2023年度からは、当社およびグループ主要4社(京阪電気鉄道(株)、京阪電鉄不動産(株)、(株)京阪百貨店、(株)ホテル京阪マネジメント((株)ホテル京阪の運営子会社))において上記の目標を掲げて、持続的な企業価値向上に資する環境整備を推進しています。
目標 | 2023年度 | |
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採用者に占める女性割合 | 30.0%以上 | 51.3% |
指導的役職に占める女性割合 | 2030年度末10.0%以上 | 9.7% |
男性育児休業等取得率(育児目的休暇含む) | 100% | 100% |
多様な人財が安心して能力発揮できる環境整備・ワークエンゲージメントの向上
交流を促進し、アイデアが生まれるオフィス環境の整備

京阪グループ各社で主体的で創造的に働ける環境整備を推進しています。2024年は、京阪電気鉄道(株)や(株)京阪ザ・ストアが本社移転を機に、固定席の廃止やペーパーレス化を促進し、部署の垣根を超えて柔軟に移動しコミュニケーションが取れる職場環境を整備しました。
京阪ホールディングス(株)では、従業員が業務内容に合わせて働く場所と時間、相手を選択できる創造的、効率的で多様な働き方「ABW(Activity BasedWorking)」が実践できるオフィス空間整備を継続的、計画的に推進しています。2024年9月には若手社員ワーキングチームによる新たなコミュニケーションスペースの整備を行いました。

コミュニケーションスペース

フレックスタイムの導入、有給休暇取得の促進
京阪ホールディングス(株)および京阪電気鉄道(株)では、ノー残業デーやフレックスタイム制、20時以降の残業や休日出勤の原則禁止など、時間外労働を削減し、働きやすさを高めるとともに従業員の自律的な働き方を促し、創造的な思考やリフレッシュのための時間確保を進めています。
年度 | 2021 | 2022 | 2023 |
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京阪ホールディングス(株) | 62.7% | 70.6% | 72.1% |
京阪電気鉄道(株) | 82.8% | 83.9% | 92.9% |
子育て・介護との両立
京阪ホールディングス(株)および京阪電気鉄道(株)では、育児・介護のための休業・短時間勤務制度をはじめ、在宅勤務制度や、失効する年次有給休暇を積み立て育児・介護などのための休暇に充当できる制度など、働きながら育児や介護などを行う従業員をサポートする各種制度を整備しています。

企業名 | 認定年 | 認定回数 |
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京阪ホールディングス(株) | 2009年・2011年・2013年・2018年・2021年 | 5回 |
京阪電気鉄道(株) | 2020年 | 1回 |
京阪ホテルズ&リゾーツ(株) | 2021年・2023年 | 2回 |
(株)ゼロ・コーポレーション | 2022年 | 1回 |
こうした取り組みにより、京阪ホールディングス(株)は、子育てサポート企業として厚生労働省から認定を受けた証である「くるみんマーク」を、2009年以降5度取得しています。2024年には、在宅勤務の限度回数の拡大、企業主導型保育施設の利用環境の整備、ベビーシッター利用支援、育児短時間勤務の期間延長を行いました。また、京阪ホテルズ&リゾーツ(株)は、「くるみん認定」取得企業の中から、より高い水準の取り組みを行っている企業に対して与えられる「プラチナくるみん認定」を2023年に京都府の宿泊業として初めて取得しました。
障がい者雇用の推進

障がい者の就労機会の提供という社会的責務に応えるために設立された京阪スマイルハート(株)は、特例子会社として厚生労働大臣の認定を受けています。同社は障がいを持つスタッフ7名(2024年3月時点)を雇用し、オフィスフロアの清掃、文書廃棄、プリンター複合機の用紙補充や京阪グループ各社の名刺の印刷、セミナー資料の準備などのオフィスサポートを行うほか、高等支援学校の生徒などの実習生も受け入れています。また、日々の業務とともに、業務の一環として学習の時間も取り入れ、社員個々の知力・体力・気力を高め、チームとして最大限の力を発揮することをめざしています。京阪ホールディングス(株)、京阪電気鉄道(株)、京阪スマイルハート(株)の3社合計での障がい者雇用率は、2024年3月時点で3.20%です。引き続き、障がいのある方の雇用の推進と働きやすい職場づくりに努めます。
採用力の強化
多様な人財の確保に向けて、京阪グループ各社での取り組みのほか、グループ合同の会社説明会やインターンシップを開催するなど、グループ全体での取り組みも強化しています。また、新卒採用とともに、キャリア採用(経験者採用)も進めており、当社グループの企業価値向上に資する、経営戦略、事業戦略上、必要と考えられる能力を有し、外部での経験・スキルを持つ人財の確保に努めています。このほか、京阪ホールディングス(株)では、特定の事業領域および業務分野における専門的知識や実務能力等を有する専任職社員の採用に向けた制度整備を行いました。こうした多様な人財の活躍を組織の活性化や新たな価値創造につなげていきます。
挑戦を促し自律的な成長意欲を高める制度整備・「人財を活かす」
マネジメントの推進
人財の育成・能力開発
京阪グループで働く従業員として習得しておくべき知識や意識の醸成などを目的として、入社時に「京阪グループ新入社員基礎研修」を開催しています。また、問題解決力や論理的思考力、部下指導力などのビジネススキルや、財務・会計、労務、コンプライアンスなどの各種知識の習得・強化を図るため、グループ社員を対象とした集合研修「KEIHANビジネスセミナー」を随時実施しています。2020年度からは、従来の集合研修に加え、場所や時間に縛られないオンライン研修や動画配信研修も積極的に実施しています。京阪ホールディングス(株)では、マネジメント力や部下育成力の向上などの観点から、階層別研修や外部派遣研修を実施しています。ラーニングマネジメントシステムを導入し環境に依存しない自律的な学びを支援しているほか、語学力やDXをはじめとしたスキルを向上させるため、通信教育や資格取得に関する費用補助などの自己啓発支援にも取り組んでいます。
キャリア設計支援

京阪ホールディングス(株)では、若手社員のキャリア設計支援や交流促進を目的として、メンター制度を導入しているほか、オフサイトミーティングを実施して、社内コミュニケーションの活性化や経営理念の浸透、必要なフォローアップにつなげています。2023年度は、「BIOSTYLE経営の理解と体感」をテーマとするビジネスゲームを通して主に管理職未満の層のBIOSTYLE経営の実践感覚の浸透を図りました。また、新たに「中長期的なキャリアに関する対話」を目的とした個人面談や、仕事に対する意味づけを明確にし経験を通じて自己成長するサイクルにつなげることを目的とする「ジョブクラフティング・経験学習」をテーマとした研修を実施するなど、キャリア自律の促進に向けた取り組みを実施しました。今後も、若手の段階から「組織の目指す姿と自身のキャリア観をすり合わせる機会」や「キャリアの実現行動をあと押しする機会」を増やし、個々のキャリア形成を通じて京阪グループの成長と拡大を加速させます。また、2024年度より、タレントマネジメントシステムを導入し順次運用を開始しています。社員の経験・スキルやキャリアの志向といった人財データを、人財開発、適正配置等に活用し、ワークエンゲージメントの向上も図ります。