こころまち つくろう 活動レポート

[こころまちつくろう 活動レポート Vol.51]やりがいと喜び、バス運転士という仕事。 ~3名の現役運転士を通じて知るバス運転士という仕事~

沿線の皆さまの暮らしの基盤となる路線バスのほか、観光やビジネスへの足として役立つ空港リムジンバス、ガイドの案内で京都の名所や観光地を巡るおこしバス(京都定期観光バス)などを運行する京阪バス。京阪グループの一員として、たゆまず歩み続ける安全への取り組みや快適性向上の施策については、こころまちつくろう活動レポートVOL.42「地域の交通を支え続けて約100年。」でご紹介しました。今回は、路線バスの運行に携わる3名の現役運転士をクローズアップ。異なる世代の働き方を応援する京阪バスの職場としての魅力、バス運転士の仕事の奥深さをお伝えします。

家庭との両立もしやすく、
男女差のない仕事が私にはすごくあってます

大型バスの
運転に憧れ続け、
今は毎日が幸せです

前職でタクシーの運転手をしていた頃、よく見かけるバスに女性運転士の方がおられて、ずっと憧れていました。大きなバスを運転する姿をみるたび、かっこいいなぁと思って。最近は、大型トラックやバスの運転士にも女性がすごく増えています。そんな時流も背中を押してくれ、同じ二種免許取得者としてどうせなら大型二種免許を取得してバスの運転士になりたい!と一念発起。京阪バスに転職しました。
大型二種免許の取得には、京阪バスにある免許取得サポートの制度を利用しました。費用を全額負担してもらえたのはありがたかったです。免許を取得して中途入社した後は、約1か月に及ぶ教習訓練を経て、晴れて夢をかなえました。父親はタクシーの運転手ですので、大型二種免許の価値を知っています。そのため、免許を取得した際には「本当によくがんばったな」と喜んでくれました。
現在は路線バスの運転士として、営業所管内の全路線を担当しています。今はとにかくバスに乗務して運転をしている時間が幸せで、毎日がとても充実しています。

お客さまからの感謝の言葉が
原動力になっています

現在の営業所に配属されて8か月、まだまだ未熟ではありますが、とにかく丁寧で安全な運行を心がけています。朝の渋滞時などは、乗客の皆さまもイライラされることが多いかと思いますので、できるだけ細やかに道路状況をお伝えするなど、快適にご乗車いただけるよう気をつけています。そんな日々の中で、お客さまから感謝の言葉をいただけた時は、やはり一番やりがいを感じますね。未経験からのスタートですので、自分なりに全力を尽くしているつもりですが、ご満足いただけたか不安もあります。そんな時に「丁寧な運転で安心できた」とか「アナウンスが丁寧で心地よかったよ」とお褒めいただくと本当にうれしいです。車内のお客さまに異変がないかをチェックするのも重要な業務のひとつですが、桜のシーズンにお客さまがシートにゆったりもたれかかりながら沿道の桜を眺めておられる姿を運転席から見ると、リラックスしてご乗車いただいている姿にうれしくなります。そんな日常の小さな一コマ一コマに、元気とやる気をいただく毎日です。

職場は和やかで、
アットホームに接してもらえています

京阪バスって、日本初の観光バス女性運転士を輩出した会社なんですね。私は残念ながらお目にかかったことはないのですが、そんな大先輩のお話を聞くと誇らしいとともに、自分もがんばろう!と励みになります。また、女性運転士の道を切り拓いてきた社風だからか、女性にとっても働きやすい会社です。女性が欲しいなと思う設備もきちんと整って、何ら不自由はありません。そもそも、バスの運転士という仕事に男女差はないので、先輩後輩の線引きはあっても男性運転士とも共通の会話ができるのがうれしいですね。女性だからと変に気遣われるのではなく、自然に仲間に入れてもらえるのが心地よくて。優しい人が多く、いつもさりげなく声をかけてくれます。そのせいか営業所内はいつもアットホームで、和やかな雰囲気なので乗務から帰ってくるといつもホッとさせてもらっています。

Aさん
職歴10か月(2024年11月末時点)

お客さまから運転技術やきめ細やかなアナウンスについて多くのお褒めの言葉をいただくお母さん運転士。
社内の表彰制度であるサンクス表彰2を何度も受賞する実績を持つ。

運転技術を磨いて、
安全運行の高みをめざしたい

バスの乗務には中休勤務といって乗務の間隔が6時間空くような勤務もあります。私は営業所から家が近いので、中休には自宅に戻って家事を済ませます。時間はたっぷりあるので、家事の合間にリラックスできる我が家で休憩するとリフレッシュする感覚も格段です。ワーク&ライフバランス的にも、私はこの生活にとても満足しています。一人息子は高校2年生になります。私の職業に関して何も言いませんが、地域の足を守っている私の仕事を誇らしく感じてくれていたらうれしいなと思います。
今後の目標は、とにかく運転技術をもっともっと磨いて、無事故の記録を重ねて、グッドドライバー表彰1を獲りたいです。私にとって、大型二種免許は人生の宝物。この宝物を無駄にしないよう、お客さまに安心と安全をお約束する安定の運転を心がけて、これからもがんばっていきたいです。

Aさん
職歴10か月(2024年11月末時点)

お客さまから運転技術やきめ細やかなアナウンスについて多くのお褒めの言葉をいただくお母さん運転士。
社内の表彰制度であるサンクス表彰2を何度も受賞する実績を持つ。

※1:グッドドライバー表彰
社内の表彰制度の一つ。お客さま対応をはじめ運転技術、安全確認の正確性などを審査します。ゴールド賞、シルバー賞、ブロンズ賞の3つの格付けに分かれます。
※2:サンクス表彰
社内の表彰制度の一つ。お客さまからメールやお電話で「あの時の運転士さんのここが良かった」「こんなところが素晴らしかった」など、謝意やお褒めの言葉をいただいた社員に贈られます。

後進のためにも
安全運転のお手本になれたらと思います

福利厚生がしっかりしていて
公共交通機関の担い手という安定した地位が魅力でした

もともと運転することが大好きだったので、職業としても運転手を選び、前職ではトラックに乗っていました。ただ、勤務時間や給料が安定していないため悩んでいた24歳の頃に、ちょうど乗車した京阪バスでバス運転士募集の広告が目に飛び込んできたんです。内容を読んでみると、給料も安定しているし、福利厚生がすごくしっかりしていました。さすが京阪グループですね。そこで、迷わず転職を決めました。バスの運転士って、公共交通機関を担うという社会貢献の部分が大きいですよね。そんな使命を自分が果たすことにも惹かれました。

土地の個性や交通状況、道路の特性を熟知し、
安全運転につないでいます

今は路線バスに乗務し、主に3路線を走っています。それぞれエリアごとに道路状況や交通環境の条件が違い、また、地域特性も異なります。2車線の道路ではバスの前に割り込みが頻発するとか、住宅街を抜ける場合は狭い道を運行しなくてはいけないとか、ここは自転車や住民の飛び出しが多いなど、エリアの特性をあらかじめ把握して運転に反映させるように気をつけています。お客さまの命を預かっているという意識のもとで、私たちは運転をしています。安全運行という言葉には、道路状況に留意する以外にも、車内のお客さまの様子など細部まで気を配ることが含まれます。常に先を予測し、なめらかで安全・快適な運転を心がけています。

休日を取りやすく
プライベートも充実

休日を取りやすく
プライベートも充実

京阪バスは、比較的自由に休暇が取れます。それが、私にとっては大きな魅力ですね。私はツーリングが趣味でバイクに乗ってよく出かけるのですが、自分の好きなタイミングで休暇を取得できるのはありがたいです。昨年は、東北の方に1週間行ってきました。蔵王とか、磐梯山とかを巡って、雄大な景色に身も心も癒されてすっかりリフレッシュして帰ってきました。一般的に、バスの運転士は公共交通機関としての役割があるので土日も休めず、お正月なども休めないイメージがあるようですが、そんなことはありません。うちの営業所でも、お正月に休みたい人は休んでいます。もちろん観光バスになると勝手は違うかとは思いますが、少なくとも路線バスチームは平日の通勤時間こそが忙しいので、早めに希望する日を伝えておけば取りやすいと思います。

Tさん
職歴30年10か月(2024年11月末時点)

「グッドドライバー表彰」でブロンズ賞を獲得しているほか、「日本バス協会会長表彰(優良バス運転者)」も受賞する30年間無事故のベテラン運転士。

30年間無事故の記録を
今後も続けていけるように
がんばりたい

私は30年間無事故ということで、多くの表彰をいただきましたが、それは運もあるかなと思っています。もちろん日々乗務中は運転に集中し、事故のないよう十二分に注意を払い、安全運行を肝に銘じています。ただ、それは全運転士が共通して胸に刻んでいることです。バス運転士とは、お客さまを安全に、快適に、目的地までお運びするのが至上の命題です。とは言え、いくら自分が気をつけていても、走行中に急な割り込みをされて致し方なくブレーキを踏んだがゆえに車内事故につながることも残念ながらあります。そうしたことを回避するためには、やはり経験を積むなかで、この道のこの時間帯はそうしたことが起きやすいということを予測できるようになることが必要です。自分自身も、これからも無事故の記録を伸ばしていきたいとは思いますが、若い後進にもそうしたコツを伝えていけたらと思っています。

Tさん
職歴30年10か月(2024年11月末時点)

「グッドドライバー表彰」でブロンズ賞を獲得しているほか、「日本バス協会会長表彰(優良バス運転者)」も受賞する30年間無事故のベテラン運転士。

幼い頃から夢みた
“京阪バスの運転士”として働く日々が楽しい

自分もこんな運転士になりたい!
そう望んだ原点が京阪バスでした

幼い頃から、家族に連れられて出かける時によく京阪バスに乗っていました。京阪バスの運転士さんは優しくて、穏やかで、とにかく僕の大好きなバス会社だったのです。とりわけ一休寺に観光に行った際の運転士さんが「左手に見えますのは…」と観光案内までしてくれたことに感激し、自分もこんな運転士になりたい!と、その時に将来の夢になり、高校卒業後迷わず入社を決めました。実は父親は別会社のバス整備士です。そのため、最初は反対というか「なぜだ?」と問い詰められたのですが、いかに京阪バスの運転士さんのホスピタリティが素晴らしいかを父相手にプレゼンテーションをして、最後は応援してくれるまでになりました。

好きなことと向き合う日々
これが私にとっての天職

好きなことと向き合う日々
これが私にとっての天職

入社して1年間は本社の管理課に配属となりましたが、事務職として働くあいだに広島県福山市の合宿教習で大型二種免許を取得しました。約1か月間の教習期間は地元を離れて少しさみしかったですが、毎日バスを運転できる楽しさを感じるとともに休日にはプチ旅行に出かけたりして、長いようで短い1か月でした。以前は二種免許は普通免許取得後3年を経ていないと取得できなかったのですが、今は特例で取得できるようになったおかげで19歳からバスに乗車できて、毎日「好きなこと」と向き合えています。

バス運転士の仕事は、確かに9時~5時で終わる職種ではありません。オフィスワークを「いいな」と思う瞬間もありますが、私の場合は圧倒的にバスを運転することが楽しくて仕方がないので、そうした気持ちも乗務すればすぐ吹き飛びます。シフトによっては朝11時に車庫入れしたら、そこから夕方の乗務まで5時間休憩という時があります。食いしん坊な私は、大好きなしゃぶしゃぶ専門店に車で食べに行きます。食べ放題の店を昼からゆっくり楽しむなんて1時間の昼休憩では味わえない醍醐味です。そうして栄養補給とリフレッシュをした後は、気持ちも新たに次の乗車に臨めます。「よし、残る4時間をまた頑張るぞ!」と心が湧き立つとき、自分にはこの仕事が本当に合ってるなぁと実感します。

自分らしさを発見し、挑戦ができる職場です

「このカーブの走行時に、今度はもっとこうしたらお客さまも揺れを感じずに済むな。」乗務をするなかで、自分なりに目標を設定してはクリアするよう努力し、一つずつできることが増えるたびに成長を実感する毎日です。バスに乗務して1年3か月、自分で言うのもおこがましいですが、最初よりは運転技術が向上していると思います。お客さまからも「高速バスに乗ってるみたいだったわ」など、お褒めの言葉を頂戴するとうれしいです。上司や先輩方も温かい方が多くて居心地のいい会社ですが、お客さまも優しい方が多いんです。朝の渋滞時にちょっと声高に怒られたお客さまがおられたのですが、乗り合わせた乗客の方から「あんなこと気にしなくていいわよ」という励ましのメールを後日頂戴したこともあります。皆さんの優しさが身に沁みました。

Uさん
職歴2年5か月(2024年11月末時点)

就業前に運転席やバス車内を清拭しながら仕事モードに気持ちを切り替えるルーティンを実践する若手のホープ。業務終了後に食べるアイスクリームが至福の時。

運行管理の分野も勉強して
組織に役立つ人材になりたい

運転士として、安全運行をベースに、お客さまに安心していただける運転技術を極めたいのは当然として、もう一方で管理部門のスキルも磨いていきたいと思っています。入社時に管理課に配属になった際に会社という組織において組織力の大切さを学んだ気がします。運行管理者の免許取得のための教本なども入手して勉強を始めています。ただ、難しくて学びと格闘する日々です。でも、その資格を無事に得て指導運転士に、さらに、その上の助役、所長とステップアップできるように全力で取り組んでいきたいです。

Uさん
職歴2年5か月(2024年11月末時点)

就業前に運転席やバス車内を清拭しながら仕事モードに気持ちを切り替えるルーティンを実践する若手のホープ。業務終了後に食べるアイスクリームが至福の時。

2024年12月掲載

第28弾 京阪バス株式会社 第28弾 京阪バス株式会社のポスターを見る

ポスターギャラリー こころまち つくろうポスターギャラリー