NEXT HIRAKATA

駅を「移動」の中心から、
まちの結節点「拠点」

2020年3月、枚方市駅周辺地区市街地再開発組合が設立され、京阪ホールディングス(株)、京阪電気鉄道(株)、京阪電鉄不動産(株)が参画。京阪グループが区分所有する第3工区における開発コンセプトとして「The 20-minute neighborhood HIRAKATA」という考え方を掲げました。その理想をかなえるために、駅と一体となる商業、オフィス、住宅、ホテル等の機能を備えた複合施設「ステーションヒル枚方」の整備が進められていきました。各担当者の開発に込めた想いをお届けします。

「The 20-minute neighborhood HIRAKATA」とは

世界の住みやすい都市に何度も選ばれているようなまちで推進されているコンパクトシティ構想の枚方版です。
20分以内で生活に必要な施設のアクセスができるまちを作りたいという思いから、豊かな暮らしと働き方を実現するための機能を揃えました。交通結節点で多くの人で賑わう枚方市駅を「移動」の中心から、お客さまにサービスや商品を通じて新たな価値を提供する、まちの結節点「拠点」へと進化させ、人々の賑わいと活気を生み出し、社会課題の解決につなげていきます。

商業(リーシング)

「ちょっといい日常」
ご提供したい

■外観イメージ
©2022枚方市駅周辺地区市街地再開発組合

この再開発では、公共交通、自転車、徒歩で20分ほどでアクセスできる、枚方での豊かな暮らし方と働き方を集めた拠点を整備するという目的が大前提としてありました。商業施設についても駅とまちをつなぐ遊歩道の機能を持ちながら、館内を一周すれば生活必需品から買い回り品まで欲しいものがそろう便利で快適な施設を目指しました。また、入っていただくテナントには、ショッピングモールの中に居並ぶようなナショナルメガチェーンだけをそろえるのではなく、いつ訪れても居心地のいい発見や喜びとの出会いがあるような「ちょっといい日常」をご提供できるブランドの方々にお願いしました。

枚方市って、全国的にみるとユニークといいますか、唯一無二の都市なんじゃないかなと思う側面があります。郊外の立地でベッドタウンでありながら事業所なども非常に多く、朝の通勤時間帯には居住者ではない方もたくさんやって来られます。

通学して来られる学生さんも多くいます。さらに、京都、大阪の中心地に枚方市駅起点だと約30分で行けてしまう利便性の高さもある。そんなまちって、あまりないんですね。その点において、テナントリーシングの際に逆にちょっと苦労をしました。「どんなまちがベンチマークですか?」と聞かれても該当する例がない。だから、なかなかまちのイメージを掴んでいただきにくかったですね。その上、今回は新規開業でしたから姿形もない、過去の売り上げ実績もない。ないない尽くしのなか意思決定をしていただかねばならず、かなり細やかにマーケットの分析情報をご提供したり、周辺施設の状況をお伝えするべく情報収集に時間を割いたりしました。

京阪ホールディングス株式会社
枚方市駅周辺開発室
株式会社京阪流通システムズ 兼務
課長補佐

渡邊 恭平(わたなべ きょうへい)

コミュニケーション
生まれていくような施設に

加えてコロナ禍で皆さんの「先行きが見えないなぁ」という想いが強かった点も今回のテナントリーシングでの苦心点でしょうか。とはいえ、ひとつの光明となったのが、郊外は案外売り上げが落ちにくかったところにあります。「家の周囲で済ませましょう」という風潮が2020年のパンデミックの頃には特に強くありました。それを強みにしてスーパーマーケットに近いゾーンでは、例えばテイクアウトに強い業態の飲食店を誘致させていただくなど、パンデミックがあったからこそ業界を後押しできるようなレイアウトを提案させていただくなどの工夫を凝らしました。それは、まっさらのところから作っていけたからできた技であって、先ほどの「ないない」尽くしも裏を返せば強みにもなれた面でした。白紙から何でもできてしまうがゆえに様々なリクエストも飛び出して、消防法などの法律とのせめぎ合いもあって何度も冷や汗もかきましたが、今となってはいい思い出です。

開業したあかつきには、これまでにない規模で人が集まる起点となると期待しています。一部の方面の方にとっては施設の中を通り抜けることが駅への最短ルートになります。ただ、施設側としてはもちろん通行のためではなく、しっかりと空間やサービスを日常的に楽しんでいただいて、そこからどんどんコミュニケーションが生まれるような施設に育って欲しいと願っています。駅周辺には京阪百貨店があり、T-SITEさんもあります。それぞれを使い分けるというよりも、各施設の個性が補完しあって、有機的につながって枚方市駅の周辺全部が輝く、そんなイメージです。大型ショッピングセンターでワンストップショッピングをしなくても「駅周辺で全部かなうよね。いつきても便利だよね。どこも楽しいよね」とお客さまに喜んでいただけるような未来につながればと思っています。

> 豊かな暮らしのためのライフプロムナード「枚方モール」

商業(MD)

MY PLACE、OUR PLACE
商業施設を

私はMD(マーチャンダイザー)として、まちづくりや商業を主体に観光施設やホテル、テーマパーク、昨今ではマンション、シェアオフィスに至るまで様々なプロジェクトのお手伝いをさせていただいております。京阪さんとのつながりは京阪モールにはじまり、京阪シティモール、くずはモールと携わらせていただきました。これまではどちらかというとリニューアルが多かったのですが、今回の枚方市駅周辺再開発ではまちづくりの一部として整備される施設に関わらせていただき、アプローチも今までとはすべて異なっていました。MDとしてお付き合いをさせていただく中で、京阪さんが卓越されているなと感じるのはMD計画を決して人任せにせず、チームの皆さんで一緒に作っていこうとされる姿勢です。ご自分たちがどういうまちづくりを目指しているかが明確で、その想いを非常に大事になさいます。また、交渉から運営までを同じ会社がされるので開発時にテナントさんとしたお約束が、開業後に違うというような齟齬もなく、さらにグループ内で百貨店とショッピングセンターが連携されているので、商品を熟知した担当者さんがテナントさんと販売戦略を練ることができる。これらは京阪さんならではの大きな強みだと感じています。

株式会社乃村工藝社
ビジネスプロデュース本部 第二統括部
新領域プロジェクト開発部 部長
プランニングディレクター

鈴木 早穂子(すずき さほこ)さん

枚方にどんな商業施設
求められているのか

「えきから始まるまちづくり」というグループ全体で掲げておられる方針と、「The 20-minute neighborhood HIRAKATA」という枚方市駅周辺再開発のまちづくりのコンセプトを受けて、商業施設の戦略コンセプトをお手伝いさせていただきました。梅田や京都にも行ける、沿線には京阪モール、くずはモールがある中で、枚方市駅には何があって何が足りないのか?コロナ禍で皆さんのお買い物に対する意識が根本的に変化し、モノを買うだけではショッピングの目的にならない時代に、どんな商業施設なら足を運びたくなるのか。議論に議論を重ねていきました。枚方は京都と大阪の真ん中で郊外と位置付けられます。都心型の商業とは違って、日々使ってくださる方はどんな方々なのか。そのターゲット像を商業調査で探りました。こうした過程で私が注目したのが、枚方のポテンシャルです。人口も多く、交通の結節点であり、市役所があって、病院があって、学生も多いということはまちを訪ねてくる人も多く、さらにホテルやオフィスタワーまでできるとなると出張客や観光客も訪れます。お住まいの方々だけではなく、そうした皆さんにも使っていただける商業施設を目指さなければならないということです。使うシーンを1日の時間帯や曜日でも細かく紐解いて整理し、いろいろなターゲットの使い方を編み込んでいきました。そして、あらゆる層の方々にとって愛着のもてる施設になればいいねという目標が決まり、3つのMD戦略に落とし込みました。

■春には桜が咲き誇る素敵な場所にある枚方モール。沿線の皆さんが普段使いで愛着の持てる場所に

皆さんにとって愛着の持てる場所に

1つ目のMD戦略は「枚方のデイリーマルシェ」です。市場のように日常を支え、毎日訪れても気持ちのいい場所であるために食やカフェを充実させました。

2つ目は「ニュースタンダード」。これは、選ばれる高品質とか生活圏で手に入るプチ優越感という方針です。梅田に行けばおしゃれなものや高価なものはいくらでもあります。でも、20分圏内で頻度高く来た時に手が出せないようなものではなく、お手頃で、かつ生活にあればうれしいなというものをそろえました。

3つ目が「MY PLACE、OUR PLACE」です。お買い物のための施設だけれど、ここへ来るとなんかリフレッシュされるよね、自分たちの居場所って思えるよね、というような愛着の持てるスペースや情景が生まれる空間を目指しました。実際こちらの構造は、出入り口の関係で1階も2階もグランドフロアになっていたり、3階は電車と同じ高さであったり、本線と支線のクロスが三角形を築いていたりと非常に変化に富んでいます。そうしたユニークさを活かして、歩いているだけでも楽しくるなるような動線を考えました。訪れた皆さんが、それぞれお気に入りのルートやスポットを見つけて楽しんでいただきたいですね。

自分たちの居場所と思える施設が駅にあることで、ひいては枚方への愛着を育む施設になればうれしいです。約60年前の宅地開発の頃からお住まいの方々は2世代、3世代目となられています。そうして住み続けておられる居住者の方々の「MY PLACE、OUR PLACE」となるのはもちろんのこと、そのお孫さん世代にあたる若い方々がこの施設をきっかけに枚方っていいな、住み続けたいなと枚方プライドにつながればと願っています。今お住まいの皆さんのくらしがより豊かに、楽しく、便利に進化していくとともに、新しい住人が増えていくことで枚方に活気が満ち、心躍る毎日が拡がっていく。これからどんどん変貌する枚方の未来を見届けさせていただくことが私にとっても楽しみでなりません。

■三角形の土地を利用し変化に富んだフロア構成

住宅

駅直結
賃貸タワーレジデンス誕生

■完成後の枚方市駅周辺(イメージ)

京阪ホールディングス株式会社
枚方市駅周辺開発室
京阪電鉄不動産株式会社
マンション事業部 兼務
課長補佐

豊後 亘(ぶんご わたる)

豊後:私が入社した頃にJR高槻駅前の市街地再開発事業で、まちが変貌を遂げていくのを目の当たりにしました。タワーが多く建つことで、まちがどんどん変わり、人が集まり、まちのイメージが一新されました。それを肌身で感じたので、京阪も沿線でそんな起爆剤になるような駅前の開発をしないといけないという思いをずっと持ち続けていました。それだけに、今回の再開発プロジェクトの話を聞いた時には「いよいよだ」と奮い立つ感覚がありました。

今井:私も入社動機が「沿線の再開発をしたい」「駅を中心にしたまちづくりをしたい」というものでしたので、「やっと携われる」とうれしい気持ちがまずありました。大阪にも京都にも30分で行け、交通結節点であり、創業以来、京阪電車の本店所在地である枚方は、沿線という資産をどう活用していくかを考えたときに、中心となる土地です。そのうえ今回は、駅直結で、駅と一体化しての再開発です。この再開発が今後の京阪沿線を位置付けていく試金石になると思いました。

京阪電鉄不動産株式会社
事業推進部マンションチーム
チーフ

今井 隆平(いまい りゅうへい)

あえて賃貸に挑んだ理由とは?

豊後:京阪沿線全体の課題を挙げると、人口減少が加速する市町村を多く抱えている点があります。枚方市においては人口が減りつつある中で特に若年層の比率が下がり、近隣他市に流れていることが現実です。沿線を抱える鉄道グループ企業として、未来に向けて人口を増やしていくことを考えるならば、今お住まいの方々に住み続けていただきながら、若い世代の流入を目指さなければなりません。分譲マンションにすると世代や属性に偏りが生じてしまい、ライフステージの変化に合わせた住民の移動が生じにくくなり、住民が固定化してしまいます。そこで分譲事業をメインにしている当社にとってはチャレンジでしたが、賃貸にすることで若い世代の方でも入居を検討していただけるようにしました。

今井:弊社は分譲物件がメインで、賃貸物件も扱ってはいますが基本はリーシング後売却をするので、今回のように自社で保有するというスタイルは非常に珍しいです。しかし、それでも賃貸でいこう!となったのは、“まちづくり”に対する使命からだと思います。

■枚方市駅直結のタワーレジデンス

関西初の顔認証システムなどを導入

豊後:分譲マンションでは、販売後のマンションそのものの運営は管理組合となります。そうなると、やはり設備関連も組合の方が管理・運営しやすい配慮が必要となるのですが、今回は自社保有のマンションですので、今井君とも当初から「せっかくだから分譲マンションでは出来ないことをしよう」と決めておりました。その結果、京阪電鉄不動産では初となる顔認証でセキュリティを解除できるシステムとスマートホームサービスを導入することとしました。顔認証システムもIoTサービスも賃貸タワーレジデンスでは関西初となります。

今井:IoTはいろんなものがインターネットにつながっていて、外出先からお風呂がはれたり、床暖房やエアコンのオンオフもできます。また、顔認証によって鍵すら不要になります。自分の顔が鍵になるので、鍵の紛失や盗難の心配も無用で、先進のセキュリティが実現します。よりタワーマンションらしい風格を携えさせるために、このような仕掛けを先導していきました。

豊後:天野川を望む側に共用部を設けたので、開放感あふれる眺望を楽しみながらラウンジを使っていただけます。また、30㎡台のコンパクトな住戸もつくりましたので、お友だちを招いて遊ぼう!となった際にはパーティルームもご利用いただけます。

■関西初!賃貸への顔認証システムの導入(イメージ)

■IoTにより家電などのコントロールが可能(イメージ)

反響の大きさに驚き!

豊後:2023年10月よりエントリーの受付を開始して、これまでに多くのエントリー、お申込みをいただいております。2024年4月の段階で全体の約60%を超える入居の申し込みをいただいており、賃貸物件において、竣工前にこれほどまでのお申込みをいただく大型物件は珍しく、大きな反響に驚いていると共に、沿線No.1の人気物件としての地位を確立させたいと思います。

今井:自分たちの想像以上に沿線内外の方から期待感を持って見ていただいている物件なんだとあらためて思いました。手さぐりで取り組んできたプロジェクトですが、住んでみたいと思っていただけるものに仕上がっているんだと感慨深いです。

長く愛されるマンションになって欲しい

豊後:皆さまからは駅前の利便性への魅力と再開発への期待を想像以上に感じます。この再開発を通じて、まち全体に良い効果が生まれて欲しいと思っています。今後ますます枚方市は変わろうとしているので、そのスタートを切るきっかけになったと確信していますし、皆さまに長く愛していただけるマンションになればいいなと心から願っています。

今井:再開発事業ですので、ハコモノをつくって終わりではダメで、やはり持続的に使われることが大事です。そして、駅からまちへ波及効果があることを望みますね。それに関しては我々京阪グループが携われない点もあるかもしれませんが、起点をつくった自負はありますので、波及していって欲しいなと思います。タワーレジデンスについては30㎡から90㎡、1LDKから4LDKまであり、様々な家族構成の方にお住まいいただける幅の広さがあります。多種多様な世代や世帯の方が、24時間365日使えるラウンジなどを通じて接点が生まれ、新しいコミュニケーションがここから生まれていくのが楽しみです。このマンションに居住することをきっかけにして、住む人同士やまちへの愛着が育まれて、定住につながればうれしいです。

> このまちの、シンボルとなる住まい「THE TOWER HIRAKATA」

■タワーレジデンスにふさわしい高級感のある内観

オフィス

まちのランドマークとなる
快適なオフィスビルへ

枚方市駅周辺には、まちの象徴となるような目立ったオフィスビルはありませんでした。駅周辺に多種多様なひとを集め、将来にわたり枚方市の顔・拠点となるまちづくりを進めていくために、オフィスワーカーが心地よく快適に過ごせる環境を提供することは一つの大きな使命でした。オフィスワーカーが増えれば、それが呼び水となってオフィスワーカーに向けたまちの機能が補強され、ひいてはまちの活性化につながっていくのではないかと考えています。また、枚方の歴史性・地域性を外装デザインに取り入れたオフィスビルは高さも相まってランドマーク性が高く、今まで住んでいた人がもっとまちを好きになり誇りに思うことに、これまで枚方を知らなかった人がこのまちに住んでみたいと思うことにつながることを期待しています。

京阪ホールディングス株式会社
枚方市駅周辺開発室
課長補佐

大築 誠也(おおつき ともや)

「枚方らしさ」を活かして

今回の設計を進めるにあたって、オフィスビルを特徴づけるために、いくつかのポイントがありました。その中でも「枚方らしさ」はまちの活性化や沿線再耕の意味でも大事なコンセプトの一つでした。CMFG(カラー、マテリアル、フィニッシュ、グラフィック)の考え方をベースに、外装だけでなく内装にも枚方らしさを取り入れました。例えば、オフィスのエントランスは外装とも関連付け、天野川をモチーフにデザインを進めました。ホテルのエントランスと近接しており、商業エリアにも顔出しし、駅とのつながりもあります。それぞれのデザインと調和を図りながら進めていきました。複合施設ならではの苦労はありましたが、各所の協力を得ながら「枚方らしさ」を要所に落とし込むことができました。

■オフィスエリアエントランス

■自然豊かな枚方のまちを感じることができる全面開口のオフィスフロア

開放的健康的なオフィスを目指して

「枚方らしさ」というキーワードに加え、「健康」にも配慮して避難階段に工夫を盛り込みました。一般的な屋内の避難階段を想像すると、壁に囲われて閉鎖的、暗い、圧迫感がある、といったイメージが強いのではないかと思います。今回のオフィスでは、そんな避難階段に大きな窓を連続的に設け、開放的な空間を作りました。窓からは自然豊かな枚方のまちや淀川、線路も一望できます。開放感あふれる避難階段にしたことで、オフィス内の上下移動が楽しくなり、自然と階段を使ってもらえるようになれば健康推進にも繋がる、というのが狙いです。また、執務エリアの窓面は全面開口、エレベーターホールやトイレなどの共用部にも極力大きな開口部を取り入れ、眺望の良い開放的な空間づくりに努めるなど、その他にも、オフィスで働く方々にできる限り良い環境を提供できるような設計を盛り込んでいます。早々に入居を決められた企業さまにも喜んでいただいたと聞いており、設計にかかわってきた身としても非常にうれしく、これからがますます楽しみです。

■避難階段やエレベーターホールも大きな窓により開放的な設計に

ホテル

枚方誕生した光り輝く
4つ星ホテル

■「光り輝く」コンセプトにふさわしいエレベーターホール

株式会社 カンデオ・ホスピタリティ・マネジメント
ヴァイス プレジデント

小嶋 慎一(こじま しんいち)さん

カンデオホテルズでは、企業理念として「光り輝く」という言葉を大切にしており、お客さまがより光り輝くための体験を、空間・飲食・文化を通じてご提供することをモットーとしています。そんな我々が、星が瞬き輝く天の川を象徴とする七夕伝説息づく枚方に出店させていただいたことは、導かれたようなご縁を感じています。

我々は出店エリアごとの特性が出るホテルづくりを心がけています。「カンデオホテルズ大阪枚方」においては、カンデオホテルズ初のデザイナーズホテルとして、都心に建つ立地でないことを逆手に、わざわざ訪れたくなる、ここにしかない個性ある空間や開放感あふれるしつらえにこだわりました。建築にご興味のあるお客さまも泊まりに来たくなるような、そんな魅力あふれる装飾を随所にご用意いたしております。それは50km先の明石海峡まで望む空に溶け込むようなスカイスパや、生駒山や天野川を借景とする開放感あふれる眺望が楽しめる客室やレストラン、天井も床も光り輝く素材で仕上げ、非日常の空間を演出したロビーなどでたっぷりとご体感いただけると思います。

■彩光あふれる上質な客室

■枚方のまちを一望しながら贅沢に過ごす最上階のスパ

出会いに導かれ、
奇跡のチームワークが実現

カンデオホテルズの新規出店をマネージングする者として今回とくに感慨深かったのが、ひととの出会い、めぐりあわせの不思議でした。新規出店となるとすべてが一からの立ち上げになりますので、関係者の方の心がひとつになるのに時間がかかったり、弊社のこだわりをご理解いただくにも苦労があたりするものなのですが、「カンデオホテルズ大阪枚方」では、建設を担当してくださった大林組さまのご担当者や都市開発コンサルティングのRIA(アール・アイ・エー)さまのご担当者も、かつて弊社の和歌山や松山、岸辺の店舗でご一緒させていただいた方々が集まられるという奇遇が重なりました。おかげで意思疎通も非常にスムーズにいき、本当にやりやすい現場でありがたかったです。

枚方の魅力十二分に、
お伝えするホテルとして

「カンデオホテルズ大阪枚方」の他にはない特徴として、カンデオホテルズ初のバンケットルームを設置した点が挙げられます。我々にとっても初の取り組みでしたが、地域の悲願をかなえたいと、京阪さまから強いご要望をいただき、それにお応えする形での挑戦となりました。果たしてどれほどの反響をいただけるものか…正直案じていましたが、開業前から客室は言うに及ばず、バンケットにも非常に多くのご予約を頂戴し、待ち望んでいただいている想いを強く感じています。うれしさと安堵の気持ちとともに、市民の皆さまのご期待にしっかりと応え、さらに超えていくホテルであるようにと、身の引き締まる思いがします。枚方は京都・大阪の真ん中に位置し、いずれの観光地へも30分程度で行けるというアクセスのいい立地です。そうした利便性を備えながらも、客室から眺めていただくと息を飲むような自然が広がっており、ロケーションにも恵まれた美しい都市だと感じます。そんな枚方の魅力を十二分にお客さまへお伝えができる「カンデオホテルズ 大阪枚方」でありたいと思っています。

■カンデオ初のバンケットルーム(イメージ)

2024年7月掲載